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Siriを筆頭に各社が開発している「音声アシスタント」により、スマートフォンやスピーカーなどに話しかけるだけで操作できるようになっています。音声認識による機器の操作は今後さらに主流になっていくことが予想されますが、Siri・Cortana・Google Assistant・Alexaという主流な音声アシスタントにはいずれも女性の声が採用されているのはなぜなのか?ということがウォール・ストリート・ジャーナルにまとめられています。

Alexa, Siri, Cortana: The Problem With All-Female Digital Assistants - WSJ

https://www.wsj.com/articles/alexa-siri-cortana-the-problem-with-all-female-digital-assistants-1487709068

Siri、Cortana、Google Assistant、Alexaという4つの音声アシスタントが出揃いましたが、いずれも基本的に女性の声が設定されています。Siriは設定から男女の声を変更できますが、日本のSiriはデフォルトで女性の声が設定されています。ほかの3つの音声アシスタントは女性の声に固定されており、設定などで男性の声に変更することはできません。ジェンダーの平等という観点から見ると偏りがあるように見える音声アシスタントの性別ですが、各社が女性の音声を選ぶ理由はシンプルで、男女ともに女性の声の方が受け入れやすく、温かみを感じるからということがわかっています。



2008年にインディアナ大学のカール・マクドーマン教授が行った研究で、男性と女性のグループに男女の合成音声を聞いてもらったところ、どちらのグループも「女性の音声の方が温かく感じる」と回答しています。AmazonとMicrosoftも、市場調査や社内テストで性別にかかわらず合成音声は女性声の方が好まれるという結果が出ていることから、音声アシスタントに女性の声を採用しているものと見られます。

Does social desirability bias favor humans? Explicit-implicit evaluations of synthesized speech support a new HCI model of impression management

(PDFファイル)http://macdorman.com/kfm/writings/pubs/Mitchell2010DoesSocialDesirabilityBiasFavorHumans.pdf

ただし、すべてのロボットが女性音声に適しているわけではなく、約20年前のスタンフォード大学の研究では、男性の合成音声はコンピューターの教師に向いており、女性の合成音声は愛や人間関係について指導するのに向いていることがわかっています。ロボットの音声に関する研究を続けているマック・ドーマン教授は、「デバイスの開発者は倫理的な困惑に直面しています。女性音声というステレオタイプを強調するのではなく、別の良策を模索し、中立的であるようにチャレンジを続けるべきです」と話しています。

Siriを開発したAI音声アシスタント企業「Viv」を買収したSamsungは、「Kestra」「Bixby」という名称を商標登録しています。正式に発表はされていないものの、これらの商標はSamsungの次期ハイエンドスマートフォン「Galaxy S8」に独自の音声アシスタントに使われるものと見られ、男女の音声を選択できることが予想されています。

女性の合成音声には合理的な利点があるものの、ウォール・ストリート・ジャーナルは「各社の音声アシスタントはジェンダーの平等のために男女両方の音声をユーザーで変更できるようにするべき」と提案しています。



By Timothy Neesam