「ランニングでは姿勢と着地にコツがある」と伊藤友広氏。【写真:松橋晶子】

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筋肉や関節周囲を傷める人も多いヨガ

 近年、ダイエット、ボディメイク、そして健康維持のためのスポーツとして、女性の間で人気の高いヨガとランニング。04年からスタートした年に1度のヨガの祭典、『ヨガフェスタ』は今やアジア最大級のヨガイベントに成長。また世界最大の女子マラソンとして「ギネス世界記録」に認定される『名古屋ウィメンズマラソン』は、2016年度大会で参加者1万9000人突破と全国的に盛り上がりを見せている。

 そんななかで2月25日、東京・お台場では、女性限定のヨガ&ランニングイベントを開催。正しい水分補給と理想的なカラダ作りをテーマに、専門講師によるレッスンが行われた。

 ヨガやランニング人口が増える一方、特に初心者の間で心配されるのは運動中のケガや体調不良。例えば高い柔軟性が求められるヨガでは、手本どおりのポーズを行おうと無理に体を伸ばし、筋肉や関節周囲を傷める人も多い。当日、ヨガ講師を務めた骨盤調整ヨガ創始者の高橋由紀氏は、「柔軟性が足りない体で無理に伸ばすことが正解ではありません。まずは正しい姿勢で、優先的に伸ばしたいパーツを意識しながら動くことが大切。一つひとつの動作の質を高めてほしい」と語った。 

 ポーズを行う際、事前に足元をほぐしておくとよい、と高橋氏。「まずは足の裏全体をほぐし(竹踏みグッズなどを利用してもよい)、次に足の指、足首をそれぞれ10回程度、内回し・外回しをゆっくり行う。すると体が温まり、緊張もほぐれてポーズを行いやすくなります。また、動作の際はゆっくりと呼吸を続けること。呼吸が速くなったり、息が止めたりすると体は余計に緊張します。体調を崩す人もいるので注意してください」。

疲れにくいランニングのコツは?

 一方、「ランニングでは姿勢と着地にコツがある」とはラン講師を務めた伊藤友広氏。2004年アテネ五輪の男子1600メートルリレーにも出場している同氏は「ランはいわば片脚ジャンプの連続。小さい力で小さいジャンプを繰り返すように走ると、疲れにくく、長く、快適に走れます。特に女性はスタイルを気にするので、不格好に筋肉が太くなるのを嫌う。それを防ぐためにも、いい姿勢と着地を意識したい」と話す。

 初心者にありがちなのは“かかと重心”の姿勢でのランニング。かかと重心の走りはアキレス腱をうまく使えず、着地時にかかるふくらはぎへの負担も大きい。また、腰が落ちた姿勢や上半身がのけぞる姿勢になり、効率よく体を前に運べないという。

「人はかかとでジャンプしようとしてもできません。よい走りを実現する重心の位置は、かかとよりも前。その場で軽くジャンプをしたときと同じ感覚を保って、走りましょう」

 また、走り慣れてきた時期も姿勢には注意したい、と伊藤氏。心肺機能が高まり体が楽になったことで、“走り方がよくなった”と勘違いする人が多いという。「走りだしはよいフォームでも、疲れてくると姿勢が作れたり、重心がかかとに移動したりする。フォームが崩れたまま走り続けると、疲労が溜まりやすいうえ、ケガのリスクも高まります。フォームへの意識を忘れず、続けてください」。

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長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima
編集・ライター。サッカー専門誌、フリーランスを経て編集ユニット、Lush!を設立。インタビュー、健康・ダイエット・トレーニング・ヨガを軸に雑誌、WEBでの執筆や、ムック、単行本を企画・制作。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)など。

松橋晶子●写真 photo by Shoko Matsuhashi