乃木坂46生田絵梨花の発言が波紋を広げている。

 2月28日に行われたミュージカル『レ・ミゼラブル』の制作発表会見において、『舞台を優先。乃木坂の活動は行けるときに行く』という趣旨の発言をしたことである。 普通の感覚ならそれは当然の話で、今年で日本公開30年という節目を迎える大舞台の仕事を第一に考えることに何も問題はないはずなのだが、この言葉を受けて一部のファンからは、「乃木坂を踏み台にした」「腰掛け気分で乃木坂の活動をするな」といった書き込みも目に付いたのだ。

 もともとアイドルグループのファンというのは、妙に保守的というか、グループ優先教条主義みたいな雰囲気があり、例えばかつてAKBに在籍中に、オーディションで宮本亜門演出『WIZ』の主演が決まった増田有華が、舞台優先で東京ドームのコンサートを欠席することが発表されたときも、一部のファンからはすさまじいバッシングを受けたりしている。 先日卒業した島崎遥香や川栄李奈に対しても、ドラマや舞台で握手会を欠席したりしたときには「外仕事とAKBとどちらが大切だと思っているんだ」という発言が乱れ飛んでいる。

 多少その影響があるのかどうかわからないが、AKBグループでは、選抜常連は外仕事……長期にわたって拘束される大きな舞台や映画の撮影などには参加できないことが多い。 あくまで、握手会優先、AKB仕事優先のスタンスは崩さないようにしているのだが、乃木坂は方針が違うようである。

 というのも、先日、乃木坂46の17thシングル「インフルエンサー」の握手会日程が発表されたのだが、人気トップクラスの白石麻衣と松村沙友里は参加がなく、その他のメンバーも舞台などの外仕事次第であらかじめ参加しない形になっている。 また、乃木坂は以前から学業優先や体調不良のメンバーを長期休養させることにためらいがなく、あるいは秋元真夏や欅坂46の長濱ねるのように、合格後、学校関係で芸能活動が制限されるメンバーの状況の変化を待って加入させるケースもある。 これがデメリットになるかというと、実はそれほど大きなダメージにはならなくなっているのである。 学業優先で活動を休止した生田絵梨花も、遅れて合流した秋元真夏も、今や押しも押されもせぬ主力メンバーだし、体調を崩して休養した橋本奈々未や中元日芽香にも、復帰を暖かく待つ姿勢を崩していない。

 もともとは、AKBだって、劇場公演はあくまでも基本であって、外仕事が入ればどんどん卒業して、ソロで活躍できるように作られたプロジェクトだったのだが、気が付けば大きくなった組織を維持するために、自由が利かなくなり、またそのことにあぐらをかく性質の悪いファンが増えてしまって、身動きが取れなくなっている側面がある。

 乃木坂…いや、坂道グループは、秋元康氏にとって、AKBで追求しようとして失敗したアイドル育成プロジェクトのリスタートなのかもしれない。