■不安材料が露呈した壮行試合

 野球の日本代表・侍ジャパンの調子が上がらない。4試合行われた壮行試合だが1勝3敗と負け越し、投手陣、打者陣とも不安材料が浮き彫りとなる形になってしまった。先発投手を誰にするか、リリーフ陣をどう起用するか、打順をどういじるかと、小久保監督の悩みの種は尽きない。

 唯一の明るい材料は代表に勝ったこと。侍ジャパンが負けたチームはソフトバンク、台湾選抜(台湾代表に漏れた中での選手選抜でWBCに参加することはない)、阪神。いずれもWBCのプレッシャーとは無縁のチームなのだ。

 とは言え、勝って弾みをつけたかった壮行試合で「大丈夫?」と思わせてしまった試合をしたことには違いない。優勝できないどころか早々での敗退も予感させられてしまった結果となった。

■調子は良くなく不安視されるが

 しかし、逆の見方をすれば壮行試合で「膿が大量に出た」と考えれば、「よかった」と捉えるべきだ。あくまで壮行試合は練習試合で勝たなければいけない試合ではない。2010年のサッカー南アフリカワールドカップの時も大会前の日本代表の調子は最悪だった。それでも大会が始まり初戦をものにしたらあれよあれよという間に勝ち進んだ。

 さらにオッズを見ても日本の評判は変わらない。イギリスの大手ブックメーカーウィリアムヒルは日本を3番手と位置付けている。オッズに関して言えばアメリカ、ドミニカが3.75倍、それに次いで日本の4倍である。つまり「日本は大いに優勝しうるチーム」と位置付けているのである。

 ちなみに他の国はというと4番手がベネズエラで10倍、初戦で戦うキューバは19倍だ。ここまで不安視しているのは国内だけの話でこれはあくまで国際大会なのだということを忘れてはいけない。

■野球という競技

 サッカーの例を見て分かるように初戦をものにしたら壮行試合の結果なんて忘れ去られてしまうものだ。「不安視していたことなんて忘れてた」という展開になればいいが、あっけなく負けてしまうなんてこともあるかもしれない。スポーツは何が起こるか分からいとよく言うが、野球はその最高峰に位置していると言っても過言ではない。それゆえ私は壮行試合があまり参考にならないのではないかと楽観視している。

 侍ジャパンについて「投手起用をこうしたらいい」「打順を変えるべき」、「大谷がいれば」なんて意見が飛び交う。様々な意見が出てくるということは、侍ジャパンの関心がそこまで高いとも言える。王座を奪還した暁には「壮行試合はあれでよかった」と言われることだろう。

 勝てば官軍負ければ賊軍とされる小久保監督がどうなるか見届けたい。