名古屋戦は田中のゴールで先制。金星まであと一歩だった。写真:徳原隆元

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[J2リーグ2節]名古屋 1-1 岐阜/3月4日/豊田ス
 
 公式戦で初めて行なわれた名古屋と岐阜の名岐ダービーは、“風間グランパス”への注目が大半を占めていたのではないか。しかし、目を奪われたのは、風間監督と同年齢の大木監督率いる岐阜の攻撃的なスタイルだった。
 
 名古屋の佐藤も対戦した印象を驚きとともに語る。
 
「大木さんが監督をされているので、ボールをつないでくるとの情報は持ってはいました。でもあそこまでつないでくるとは思っていなかったです。(広島が)岐阜とキャンプで練習試合をしたなかで、僕が広島の選手から聞いていたのは、凄く良いサッカーをしているということ。でも、それは自分たちが想像していた以上のものでした。今日は何回、うちの選手は股を通されたのかと。ギリギリのところで取れそうで取れないシーンが何度もありました」
 
 佐藤が語る通り、岐阜のパスワークは際立っていた。フォーメーションは4-3-3。このなかで庄司、永島、シシーニョで組む中盤の「3」がよく効いているのだ。テクニックの高い3人は面白いようにボールをつなぎ、サイドラインギリギリまで開くウイングの田中、古橋へとボールをつないでいく。
 
 先制点の場面もシシーニョからのフィードを田中が右サイドで受け、カットインして左足を振り抜いたものだった。
 
 かつて甲府や京都で評価を高めた“大木スタイル”の真骨頂。まさにそう言えるパフォーマンスだった。
 
 ただ当の指揮官は勝ち切れなかった点に悔いがあったのか、試合後の会見ではやや憮然とした表情だった。
 
「まずグランパスさんには感謝しています。ああいうゲームをしてくれたらうちも良いゲームになる。前節とは逆で追い付かれてしまった。選手には良く言いますが、弱いチームは強いチームに良いゲームをすることはできるけど、最終的には勝つことはできない。まさにその典型だったと思います。
 
(試合展開は)思い通りではなかったです。後半はグランパスさんにペースを握られたと感じています。そういうなかでもう少し頑張らないと。(試合を)自分たちのモノにできるように力をつけたいです。ただ選手は良くやってくれました」
 大木監督と言えば、05年に甲府をJ1昇格へと導き、日本代表のコーチも務めた。その後は京都も率い、10年にはJ2のクラブながら天皇杯で準優勝に輝く。ただ、12、13年と2年連続でプレーオフで敗れ、昇格を勝ち取ることはできなかった。
 
 岐阜では京都で味わった悔しさを晴らせるのか。守備を固めてくるチームが多いJ2で今後、どのような戦いを見せるのか注目だ。
 
 そして同じように観客を魅了するサッカーを目指す名古屋との再戦も楽しみとなった。2度目の名岐ダービーはこの日以上にハラハラドキドキする展開になってほしいと願いたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)