「月落ち烏啼いて霜天に満つ」というくだりで始まる「楓橋夜泊」という漢詩がある。日本の高校の教科書に出てくるほど有名な作品で、その中に出てくる江蘇省の寒山寺も中国や日本では広く名が知られている。実はこの寒山寺、日本にも存在するのだ。(イメージ写真提供:(C)045qd /123RF)

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 「月落ち烏啼いて霜天に満つ」というくだりで始まる「楓橋夜泊」という漢詩がある。日本の高校の教科書に出てくるほど有名な作品で、その中に出てくる江蘇省の寒山寺も中国や日本では広く名が知られている。実はこの寒山寺、日本にも存在するのだ。

 中国メディア・今日頭条は1日、日本にある寒山寺について、その佇まいと本場中国の寒山寺とのかかわりを紹介する記事を掲載した。記事は「日本にも寒山寺がある」としたうえで、東京の都心から電車で約2時間ほどかかる東京都青梅市にあること、その周囲は水が美しく、清酒作りが盛んであることを紹介した。

 そして、この寒山寺の歴史を蘇州寒山寺の鐘との関係性から紹介しているのだが、残念ながら、それはこの寒山寺とは全く関係のない話だった。実際は、明治時代の書家・田口米舫が蘇州の寒山寺を訪れた時に木の仏像1体を譲り受け、これを安置していた場所に1930年に建立されたのが、青梅の寒山寺だという。記事が掲載した画像の中には、約25年前に蘇州寒山寺の住職が訪れ、本尊である木の仏像を鑑定する様子を撮影した写真が見える。

 それはさておき、記事は青梅の寒山寺のたたずまいについて「蘇州寒山寺の古くて素朴な風格を模し、楓橋、鐘楼、『楓橋夜泊』の詩碑が一体となっている。姑蘇(蘇州の旧名)城外の寒山寺の情緒を持ちつつ、日本建築の特徴も帯びている」と解説している。

 日本国内には、この寒山寺のように中国の古刹と同じ名前を持ち、「元祖」と何らかの縁を持つ寺などがまだまだありそうだ。そんなスポットを巡る旅は、日本人にとっても中国人にとってもおもしろいかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)045qd /123RF)