(写真=ERA公式HP)トリプルナイン(2番)

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サッカーのAマッチや野球WBCなどの国際大会になると、何かと盛り上がるのが“日韓戦”だ。特に韓国は国同士の対決ではなくとも、日本との対決となると“ミニ日韓戦”(韓国では“韓日戦”の順が一般的だ)というキーワードが頻繁に登場する。

最近はサッカーのアジア王者を決めるACLなどが“ミニ日韓戦”の定番だが、競馬の世界でも“ミニ日韓戦”が実現する。

韓国競馬界の悲願

舞台は中東UAEのドバイ。メイダン競馬場で今夜行われる「アルマクトゥームチャレンジラウンド3」(G1)だ。

同レースは、通称「スーパーサタデー」と呼ばれる日に行われる第6レースで、1着賞金6億6000万円の「ドバイワールドカップ」の前哨戦といった位置づけ。本番であるドバイワールドカップに“招待”される日本競馬界にとって、この前哨戦はそれほど注目されていないかもしれないが、韓国では注目を集めている。

韓国競馬界においてスーパーサタデーのレースに出走することは、大きな悲願だったからだ。

韓国メディアも「韓国競馬、初の“スーパーサタデー”に出場」(『Next DAILY』)、「韓国競馬、“ドバイワールドカップ”の希望が見えてきた」(『韓国スポーツ経済』)と報じているほどだ。

今年は計5頭をドバイに送り込み、スーパーサタデーのレースに出走するために、1月からメイダン競馬場で行われるレースに挑戦し続けてきた。その5頭は、年度代表馬や三冠馬といった韓国競馬界のスーパーホースばかりだ。
(参考記事:悲願の初勝利も!! 年度代表馬と三冠馬を送り込んだ韓国競馬の“ドバイ挑戦記”

そのなかでも特に期待を集めたのが、韓国馬トリプルナインである。

ラニと対戦するトリプルナインとは

トリプルナインは、2015年、2016年と2年連続で年度代表馬に選ばれた韓国競馬界を代表するスターだ。通算成績は20戦11勝、2着7回。これまで一度も掲示板を外していない安定感がある。

昨年の成績を見ると、「大統領杯」(韓国G1)を制しており、「グランプリ」(韓国G1)で2着、日本馬が1着2着を独占した「コリアカップ」(韓国G1)でも3着に好走している。

そんな韓国馬トリプルナインが日本馬ラニとともに「アルマクトゥームチャレンジラウンド3」に出走する。つまり、ドバイの地で、“ミニ日韓戦”が実現するわけだ。

ただ、今回の「アルマクトゥームチャレンジラウンド3」で好走することは難しいとの見方が強い。

出走馬のレーティング(競走馬の能力を指数評価したもの)を見ると、トリプルナインは8頭中7位の「105」。出走馬中2位の日本馬ラニ(113)はもちろん、その他の馬と比べても実力差は大きい。

韓国の三冠馬も今夜レースに出走

ちなみに同日、スーパーサタデーのレースに出走する韓国馬は、トリプルナインだけではない。

昨年、「コリアン・ダービー」(韓国G1)をはじめとするレースを連勝して“三冠馬”となったパワーブレイドも、スーパーサタデーの第4レース「バージナハール」に出走する。残念ながらこのレースに日本の出走馬はなく“ミニ日韓戦”とはならないが、好走の可能性はトリプルナインよりも高いかもしれない。

というのも、パワーブレイドは、メイダン競馬場で2月2日に行われたG2レース(「Al Maktoum Challenge R2 Sponsored By Emirates Global Aluminium」)で3着に粘った実績があるからだ。

当時、韓国馬事会の関係者が「韓国産の韓国調教馬として初めてパート1国の重賞競走で入賞を記録したことになる」と話していたとおり、パワーブレイドは韓国競馬界の歴史を切り開いている存在だけに、楽しみが広がる。

ドバイで行われる初の“競馬日韓戦”が楽しみだが、日韓の競走馬が同じレースを走ることは、いまやそれほど珍しいことではなくなってきたかもしれない。

前出の「コリアカップ」はもちろん、韓国馬事会(KRA)と東京シティ競馬(TCK)による国際交流競走も4年目を迎えているからだ。

日韓交流競走が始まった2013年、KRAの国際部長が話していたところによると、韓国競馬は日本競馬をお手本にしているという。実際に、韓国競馬界は地道に成長を続けており、日韓の距離は今後も少しずつ近づいていくのかもしれない。

トリプルナイン、パワーブレイドともに苦戦が予想されるが、走ってみなければ結果がどうなるかがわからないところが、競馬のおもしろいところでもある。ラニとトリプルナインが出走する「アルマクトゥームチャレンジラウンド3」は今日3月4日、日本時間23時55分の発走予定だ。

ラニを応援する競馬ファンは、レースの“スパイス”として韓国馬にも注目してみてはいかがだろうか。

(文=慎 武宏)