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FMVはほかとひと味違う!? 匠の技が光るMade in Japanの“出雲モデル”



富士通のPC事業を担う富士通クライアントコンピューティング(以下、FCCL)は、同社の設立1周年を記念し、「FCCLの匠 体験会」と題した報道関係者向けのイベントを開催。島根富士通の本社工場を公開しました。2016年2月に富士通からパソコン事業を分離し、独立して誕生した会社がFCCLです。

▲島根富士通の外観。出雲と言えば、全国から神々が集結する地でもあります。そんな場所で製造されていると聞くと、何となく御利益がありそうに思えてくるから不思議……。

島根富士通と言えば、以前ご紹介した福島県伊達市の富士通アイソテックと双璧をなす場所です。富士通アイソテックでは主にデスクトップPC、島根富士通では主にノートPC/タブレットを製造。富士通では、島根富士通で生産されたノートPCを「出雲モデル」、富士通アイソテックで生産されたデスクトップPCを「伊達モデル」とそれぞれ呼び、信頼性の高い“Made in Japan”のPCとしてアピールしています。

▲FMVシリーズを使っている方はPCにこんなロゴシールが貼られているかもしれません。

さて、そんな島根富士通の工場でポイントとなるのは、混流生産を採用している点。混流生産というのは、1つの製造ラインで1つの製品だけを生産するのではなく、ノートPCの次はタブレット、といった具合に様々な製品を組み立てる生産方法です。



▲生産ラインの様子。複数の製品が同時に流れているので混乱しそう……。

この混流生産には無駄な時間を省略できるメリットがあるのだそう。例えば、1種類の製品だけを生産する製造ラインの場合、別の製品を生産する際にはライン組み替えが必要となります。製造ラインの組み替えには当然時間が掛かり、その間スタッフに無駄な待ち時間が発生します。その無駄な時間を減らすため、島根富士通では混流生産を採用したんですって。



▲工場内部の様子はこんな感じです。とにかく広くてハンダの匂いがしました。工場内に設置されている看板にもスタッフの高い意識が感じられます。

ただ、混流生産の場合、スタッフには高いスキルが必要となります。作り方が異なるものが混ざるんですから、まあ当然ですよね。このあたりにも匠感が出ています。もちろん、部品を共通化したり、アームロボットによる行程の自動化をしたりと、組み立て行程の負荷を減らす努力が行われているようです。



▲組み立てを行うアームロボットのほかに、荷物を運ぶ輸送ロボットの姿も。

さらに負荷を軽減する試みとして導入されているIoT化がなかなかのもので、センサーやカメラを活用し、作業優先順位が可視化されているんです。これにより、たとえ製造ラインで不具合が発生しても即座に対応が可能。導入前は定期出発のトラックに積み荷を載せられないといった問題が発生していたが、導入後は問題が解決され、輸送コストも30%削減できたそうです。



▲工場内に設置されたディスプレイで製造ラインの状況を把握できるようになっています。

そのほかにも、アームロボットを稼働させる前に製造工程を3次元でシミュレーションしていたり、半田ペーストを改造した自動販売機で保存していたり、製造に必要な部材を運ぶ際にはバーコードとストアピッキングの仕組みで管理していたりと、細かい努力の積み重ねで効率化が図られているのがわかります。ほんと。自らが匠と謳うだけはありますね。



▲3次元シミュレーションの様子と半田ペースト自販機。



▲製造に必要な部材を集める機材。担当者の腕についたバーコードリーダーとカートを組み合わせ、部材の取り間違えを軽減しているとのこと。

そんなわけで匠の技の片鱗を垣間見たわけですが、作業効率を追求するという面でも海外の工場ではやはり難しく、富士通が国内生産にこだわるのもわかるような気がしました。それにしても、スタッフの方々のプロフェッショナルぶりが凄かったです。まさに匠でした。

<おまけ>



▲今回のために、歴代FMVシリーズ(初期型番はFMでしたねえ……遠い目)が展示されていました。懐かしい……。



▲2画面を備えたワークステーション、上下どちらでも使えるキーボードを搭載機など、将来的に発売されるかもしれない試作機の展示もありました。



▲ユーザーの要望に応じたスペックへ変更するカスタマイズにもちろん対応するほか、外装のカスタムサービスも始まっているとのこと。川崎市民必見のフロンターレモデルですよ! 天板はインクジェットによる印刷だそう。



▲あ、ちゃんと出雲大社にも行ってきましたよ。正式名称はいずもたいしゃではなく、いづもおおやしろなんですって。ちなみに境内でのポケモンGOは禁止です。

文/こばやしなおき(編集部)

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