韓国の朴槿恵大統領の弾劾の是非を審理している憲法裁判所の判断を目前に控え、大統領を追い込んできた「ろうそく集会」と弾劾反対を叫ぶ「太極旗集会」の対立が先鋭化。韓国紙は「国が完全に二分」と憂慮している。資料写真。

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2017年3月4日、韓国の朴槿恵大統領の弾劾の是非を審理している憲法裁判所の判断が10日にも下される。これを目前に控え、大統領を追い込んできた「ろうそく集会」と弾劾反対を叫ぶ「太極旗集会」の対立も先鋭化。憲法裁の判断後も混乱は続きそうで、韓国紙は「国が完全に二分」と憂慮している。

憲法裁の審理は2月27日で終了。聯合ニュースによると、翌28日から裁判官の意見をまとめる評議手続きに入った。評議は8人(定員9人だが、1人欠員)の裁判官全員が出席する非公開の会議で、弾劾審理の争点について各裁判官が意見を述べる形で進められる。評議内容が外部に漏れるのを防ぐため、憲法裁の裁判官事務室や評議室などには盗聴・傍受を防ぐための設備があるという。

弾劾成立には裁判官6人以上の賛成が必要。弾劾審理の決定に異議を申し立てる制度はなく、言い渡された時点から効力が生じる。弾劾が正当と認められれば朴大統領は即座に罷免され、60日以内に次期大統領選挙が実施される。弾劾が棄却または却下された場合は直ちに復職する。

弾劾の是非に関する宣告の日付は明らかにされていないが、憲法裁所長の権限代行を務めている李貞美裁判官は3月13日で任期満了となる。このため、韓国メディアは「10日か13日の宣告が有力視されている」と伝えている。

日本の植民地支配に抵抗して1919年に起きた三・一独立運動を記念する「3・1節」で祝日の1日、「ろうそく集会」と「太極旗集会」の衝突が懸念されたことから、警察当局はソウル中心部に約1万6000人を配置。バスでバリケードを築くなどして厳戒態勢を敷いた。「ろうそく集会」は18回目で、ハンギョレ新聞によると、元慰安婦の女性も登壇し、「韓日慰安婦合意を導いた大統領を弾劾させ、尹炳世外相を解任させなければならない」などと訴えた。

一方、軍歌が鳴り響く「太極旗集会」では、リーダーが「かつての日本よりも残酷な不義で武装した勢力が、1ウォンも(賄賂を)受け取っていない大統領を弾劾しようとしている」などと気勢を上げた。憲法裁の判断を前に両派の対立はエスカレート。韓国メディアによると、「弾劾が退けられれば、暴動を起きて当然だ」「弾劾が認められれば、アスファルトに血が飛び散る」などの声が交錯するほどだ。

こうした状況について、朝鮮日報は「国が完全に二分」との社説を掲載。「憲法裁が弾劾の成立あるいは棄却の決定を下した場合、反対勢力が激しく抵抗して国全体が大混乱に陥るのは間違いない。そのため現状をこのまま放置するしかないのか、改めて考えざるを得ない。今、本当に国と国民のためにやるべきことは何か。憲法裁の決定以外に他に選択肢はないのか。まずは大統領から真剣に考えてほしいものだ」と呼び掛けている。(編集/日向)