電動化車両でもあるプラグインハイブリッドは「準EV」といえますが、EVの航続距離を大きく左右するのがエアコン(とくに冬場のヒーター)。新型プリウスPHVは、充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ、国土交通省審査値)68.2kmと、初代の26.4kmから2.5倍超となっています。

1

以前ご紹介したように、エンジンがかかりにくくなったことが実感できる新型プリウスPHV。その進化のポイントは、駆動用バッテリー専用ヒーター、そして世界初の「ガスインジェクション機能付ヒートポンプオートエアコン」にあります。

電動の「ガスインジェクション機能付ヒートポンプオートエアコン」は、マイナス10℃まで対応するもので、エンジンをかけずに暖房を使うことができます。「ヒートポンプ」の名称からも分かるように、冷媒を使って外気の熱をくみ上げることで効率良く暖房を使うことができるシステムで、空気の熱を活用。大気の熱を暖房に使うことでたくさんの熱量を発生させることができます。

他社では、エンジンルームにタンクを配置し、ヒーターで暖めた温水で室内の暖房としていますが、これだとヒーターのワット数までしか暖められません。なお、マイナス10℃以下だと効率が悪くなってしまうため、エンジンをかけて暖房を作動させます。

今回は、技術革新である「ガスインジェクション」付きとしたのもポイント。家庭用エアコンは0℃くらいから効率が悪くなるそうですが、プリウスPHVの「ガスインジェクション」は、気液混合された冷媒からガスを分離し、コンプレッサーに注入することで冷媒の液量を増やして暖房能力を向上。

室内を暖めた冷媒を気体と液体に分離し、気体をもう一度コンプレッサーで室内に回して、液体だけを車外で熱交換するという、2回仕事をさせることでマイナス10℃までいけるようになったそうです。

これにより走行中でもエンジンを始動させることなく(マイナス10℃まで)、暖房を作動させることが可能で、結果的に燃費の向上に寄与しています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

【関連記事】

【トヨタ新型プリウスPHV試乗】日常使いならEVなの? 普通のプリウスとどう違う?
http://clicccar.com/2017/03/01/450149/

プリウスPHVの燃費37.2km/L、EV航続距離68.2kmを支える世界初の技術(http://clicccar.com/2017/03/04/450620/)