友達に旅行の話をして、自分が知ったクールな場所についていろいろ聞かせるのは、いつも楽しいものです。しかし、聞いているほうはというと、自分自身も経験したことのある話に、より高い関心を示すことが、研究でわかったのです。

『Psychological Science』に掲載されたこの研究実験は、話し手役の参加者が短い動画を見た後、聞き手役の参加者にその話を聞かせる、というものでした。聞き手のなかには、同じ動画を見た人とそうでない人がいました。話し手は、動画を見ていない聞き手のほうが、一生懸命に聞いてくれるはずだと予測していましたが、それは間違いでした。

同じ動画を見て話を知っている人のほうが、見ていない人よりも、話を楽しんだのです。すでに知っている話を聞いても面白くないだろうと、誰もが反対の結果を予測すると思います。しかし研究者たちは、新しいことを他人に説明するのが難しいために、このような結果になったのだろうとまとめています。彼らはこう述べています。

目新しい体験の話は、聞き手にとってより興味深いかもしれませんが、話し手にとっては説明が難しいものです。この事実が、話し手のジレンマとなります。聞き手が知っている話は、わかってもらいやすいが、さほど面白くはない。一方、新しい話は、興味深いが、わかってもらいにくい、というわけです。話し上手になりたければ、その2つの絶妙なバランスを狙う必要があるのです。つまり、相手がある程度知っていて理解しやすく、かつ、目新しくて理解する価値のある話ということです。

話をしながらそこまで気を回すのは難しいものです。たとえば友達に、あなたが日本で見てきた、とても珍しい観光地の話をするとしたら、あなたは、そこがどんなにクールだったかを伝えることに夢中になり、その観光地がどんなところかの説明がおろそかになって、聞いているほうは、よくわからず、興味を失ってしまう、という状況になりやすいのです。

つまり、私たちの大半が、説明めいた話ではなく、面白い話をしようとするので、聞き手は、よくわからず、うわの空になってしまうのです。上手に話をするには、聞き手(あるいは読み手)が共感でき、理解できるような経験に関連づけるようにしてみましょう。


The Novelty Penalty

Kristin Wong(原文/訳:和田美樹)