北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件を受け、金正恩党委員長の叔父でチェコ駐在の北朝鮮大使である金平日(キム・ピョンイル)氏が次の殺害ターゲットではないかとの報道が飛び交っている。

その背景には、金正日総書記の弟である金平日氏が、亡命政府の首班に担ぎ上げられる可能性を全く否定できないことがある。彼の安全を巡り、チェコ政府が対応に苦慮しているというのだ。

韓国の東亜日報によると、ある外交関係者は、マレーシア政府が金正男氏殺害事件の対応に苦慮しているのを見たチェコ政府が、金平日氏の安全に相当神経を尖らせており、韓国の情報機関が金平日氏の動向について詳しく情報収集を行っていると語った。

この関係者はまた、金平日氏が2015年1月にチェコのゼマン大統領から信任状を受け取った後からほとんど外部での活動を行わず、チェコ駐在の他国の大使で彼に会ったことのある人はほとんどいないと伝えた。さらに、チェコには北朝鮮労働者など北朝鮮国民はほとんどおらず、形式的な外交関係を維持しているに過ぎないとも語っている。

チェコのオンラインニュース、ノビンキも、韓国外交官の話を引用し、金平日氏はチェコ駐在大使就任以来、ほとんど表に姿を表さず、目立たないようにつとめ、家と大使館を往復すること以外は何もしていないようだと伝えた。

チェコの朝鮮半島専門家、ペトロ・ブラハ氏は「もし北朝鮮が金平日氏の命を狙っているのだとすれば、外交官のポストにとどまり続けるべきだ」と述べた。これは、大使の生命に危険が及んだ場合、駐在国に保護要請を行うことができるからだ。

一方で、ロシア国営通信社のスプートニクによると、チェコ大統領宮のイベータ・マルティンコバ広報秘書は、チェコ政府は外交官の安全を脅かすような情報は入手できていないと述べている。