2日、韓国・聯合ニュースはこのほど、生活苦から窃盗を犯してしまった韓国の就職準備生をめぐる一件を報じた。資料写真。

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2017年3月2日、韓国・聯合ニュースはこのほど、生活苦から窃盗を犯してしまった韓国の就職準備生をめぐる一件を報じた。

公務員になるため準備中のA(33)は2月初め、光州(クァンジュ)市内の大学図書館で公務員試験の問題集を盗んだが、犯行から1週間後、被害者に盗品を返し警察に自首した。窃盗事件としてこれを立件した警察だったが、Aの事情を聞き、前科が残らないよう即決審判を請求した上、Aに食事代5万ウォン(約5000円)と問題集を買い与えるという寛大な措置を下した。4年制大学を卒業後、数年にわたって技術職の公務員試験を準備中のAは、高齢の両親に頼らずに週末のアルバイト代で生活、問題集を買う金がなくやむなく盗みを働いたと告白したのだ。

この一件が報じられるや、光州北部警察署にはわずか2日間で「Aさんを助けたい」という市民からの問い合わせの電話が数十件以上寄せられたという。

ある地方公務員からは「私も懸命に勉強して公務員になった。Aさんが気の毒で少しでも役に立ちたい。 問題集でも買ってあげたい」という申し出が、農業を営む女性からは「米とハトムギを作っているが、ご飯も食べずに勉強するAさんに米を1俵送りたい。罰金の刑罰が下ったらその金額も支払いたい」と申し出があり、支援者は老若男女、多岐にわたっている。

警察からこの事実を聞いたAは「いいことをしたわけでもないのに、こんな私を支援してくれる人に感謝したい。心から感謝するが、恥ずべきことなので支援は受けない」と明らかにしている。なお、救済措置を決めた警察署のチーム員には表彰状が授与される予定という。

この報道に韓国のネットユーザーから多数の声が寄せられているが、支援には否定的なものが多い。「泥棒は泥棒に違いないと思うけど…」「紛れもない泥棒だ!僕も公務員試験に向けて準備中だけど、宅配便のバイト代で問題集を買って勉強してるよ」「他の受験生はこのニュースを見たら嘆くだろう。悪口の一つも言いたくなる」「心温まるニュースだけど、一方で同じような事件が増えはしないか心配になる」といった声が多数の共感を得ている。

一方で、「昔は本の窃盗は窃盗のうちに入らないと言われたもの。この世もまだ捨てたものじゃない。必ずや合格して自分より苦しい人々に恩返ししてください」「人間味のある温かい社会をよく示してくれる事例。頑張ってください」とAにエールを送る者、「前科が残れば公務員試験に受かっても身元調査で不合格になる。だから今回の警察の対処には敬意を示したい」など警察への称賛、そして「現代の最大の被害者は若者。これ以上、残酷な時代を後世に残すのはやめよう」と若者への同情の声もあった。(翻訳・編集/松村)