最優秀主演女優賞の宮沢りえ

写真拡大

 第40回日本アカデミー賞の授賞式が3月3日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、最優秀主演女優賞は「湯を沸かすほどの熱い愛」の宮沢りえが受賞した。同部門最優秀賞は第26回の「たそがれ清兵衛」、第38回の「紙の月」以来3度目。舞台出演のため、発表時は退席していたが、中野量太監督と共演の杉咲花が代理でブロンズを受け取った。

 自主映画「チチを撮りに」で注目された、中野監督の商業映画デビュー作。日本の銭湯を舞台に、余命2カ月を宣告された銭湯の女将・双葉が、失意に屈することなく持ち前の明るさで家族ひとりひとりを支え、周囲を大きな愛で包み込んでいくさまを描いた感動作だ。

 宮沢は、明るく強く生きる双葉をエネルギッシュに好演。退席前に収録された映像が流され、宮沢は「ちかごろ、演じるというよりは、ひとつひとつの役が体を通過して、爪痕をつけていきます。双葉という役も、とても大きな爪痕を残していきました。生きることの貴重さ、こうして皆様に称えられることの嬉しさ、いろんなことを教えてもらっています」とコメントを寄せた。

 登壇した中野監督は、「りえさんとは同い年で、僕らにとっては小・中・高校と、僕らの世代のトップランナーでした」と褒めちぎり、「いつか言おうと思っていた素敵な話を……」とポツリ。「僕は映画少年でも何でもなかった人間ですが、初めて何度も何度も見直し、『これが映画か』と思わされた原点の映画があります。それが『ぼくらの七日間戦争』です」と明かし、「今思うと、その時の主演・宮沢りえさんが、僕に『映画をやれ』と言っていたのかもしれない。りえさんが商業映画デビュー作の台本を読んで、出演すると言ってくれた時は、映画を教えてくれたりえさんとできるんだと、やっぱり嬉しかった」と破顔した。

 さらに娘役・杉咲も最優秀助演女優賞を獲得したため、“親子”2人で受賞という結果に。杉咲は「お母ちゃんに教えてもらったことは、本当にたくさんあって。これから先も、ずっと忘れられないことばかりで、やっぱりお母ちゃんはすごい。お母ちゃんに代わって、映画を見てくださった皆様、ありがとうございました。皆様のおかげです」と深々と頭を下げた。