綾野剛と熱い抱擁を交わす妻夫木聡

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 第40回日本アカデミー賞授賞式が3日、グランドプリンスホテル新高輪で行われ、映画『怒り』の妻夫木聡が最優秀助演男優賞を受賞した。同作は、妻夫木が最優秀主演男優賞(第34回・2011年)を獲得した『悪人』と同じ原作者・吉田修一×李相日監督のタッグで製作。妻夫木は、劇中で同性の恋人を演じた俳優・綾野剛と強く抱き合って喜びをかみしめた。

 1年前の未解決殺人事件を軸に、東京、沖縄、千葉を舞台にした3つの物語をつむぐ『怒り』で、妻夫木が演じたのは、ゲイのエリートビジネスマン。新宿で出会う綾野演じる男とは恋人同士で、濃厚なラブシーンにも挑戦した。2人が実際に二週間の共同生活を送り、一緒に入浴するなど私生活をも犠牲にして行った徹底的な役づくりが作中の説得力のある関係性を生み出した。会場には、『日本で一番悪い奴ら』で優秀主演男優賞を受賞した綾野の姿もあり、壇上の妻夫木をまっすぐに見つめる様子が印象的だった。

 名前を呼ばれ、やや驚いた表情でマイクの前に立った妻夫木は、「ああ、ありがとうございます。舞台がこの後控えているのですが、ぎりぎりまで待っていてよかったです」と始めると、「前回『悪人』で最優秀主演男優賞をいただいたときはこの会場にいられなかったので、こうやって今回この会場で皆さんと喜びを分かち合えることをまずすごくうれしく思います。小さいころから特に何の取り柄もなかった僕が今俳優をやっていること自体がちょっと不思議なのですが、その俳優でこうやって素敵な賞までいただけるという今の現実が本当に本当に夢のようです」と喜びをあらわにした。

 李監督の作品への出演は、これが3作目となった妻夫木。「李監督が『東京はお前に任せた』と言ってくれたあの一言が本当にうれしかったです。終わってからも『お前に救われた』と言われたのは僕の一生の財産となりました」と万感の思いをぶつけて壇上から降りると、立ち上がって待ち受けていた綾野が妻夫木をハグ。受賞を祝い合った。

 優秀助演男優賞は他に、竹原ピストル(『永い言い訳』)、東出昌大(『聖の青春』)、森山未來(『怒り』)、リリー・フランキー(『SCOOP!』)が受賞。同部門で妻夫木が最優秀賞に輝いたのはこれが初となった。(編集部・小山美咲)