綾野剛と喜びを分かち合った妻夫木聡

写真拡大

 第40回日本アカデミー賞の授賞式が3月3日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、最優秀助演男優賞は「怒り」の妻夫木聡が受賞した。「悪人」で第34回の最優秀主演男優賞に輝いた妻夫木だが、同部門は初。自身の名前を呼び上げられると、今作で3度目のタッグとなった李相日監督の肩を揉み、壇上へ向かった。

 吉田修一氏の同名ミステリー小説を、李相日監督、渡辺謙、宮崎あおい、広瀬すず、森山未來、松山ケンイチら豪華キャスト・スタッフが結集し映画化。「怒」という血文字が残された未解決殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄に犯人と似た男が現れ、関わる人々の“信じる心”を変化させていくさまを描いた。

 妻夫木は、綾野剛扮する大西直人と運命的な出会いを果たす藤田優馬を熱演。ブロンズを授与され「出演舞台がこの後にありますが、ギリギリまで待っていてよかった。『悪人』で最優秀主演男優賞をもらったときは、この会場にいられなかった。今回、みなさんと喜びを分かちあえてうれしいです」とほほ笑み、「小さいころから特に何の取り柄もなかった自分が、今俳優をやっていることが不思議。さらに素敵な賞までいただける現実が、夢のようです」と喜びを噛み締めた。

 クランクイン前には綾野とともにホテルの一室で生活し、説得力のある関係性を体現。妻夫木は「『ブロークバック・マウンテン』を李監督と見たときから、日本社会のなかで同性愛者の純愛を描いた作品をやりたいと話していました。この『怒り』は覚悟が必要でしたが、綾野剛くんがいてくれたからこそ、優馬として生きられた。役のためなら命をかけられるという思いを、彼も僕も持っています」と感謝を述べ、共同生活を「一緒に風呂に入ったりしました。ベッドは別々でしたが、いつもは剛が僕より早く部屋を出ないといけないのに、寝坊するから僕が起こしてあげたり。ラブラブしていました」と振り返った。これに綾野は、「今でも愛おしい時間です。壇上に妻夫木さんがいらっしゃる姿を見て、ものすごくグッと来ています」とラブコールを返していた。

 そして最後に、「この役は、綾野剛くんと作り上げました。李監督の『東京パートはお前に任せた』という一言と、撮影終了後に『お前に救われた』と言われたのが、僕の財産になりました」と明かす。降壇した際には、感極まった表情を浮かべた綾野と熱い抱擁を交わし、場内の喝さいを浴びていた。