長期休暇中の経験も音作りに活かされた、文句なしの完成度/『÷』エド・シーラン(Album Review)

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 エド・シーランの通算3作目となるスタジオ・アルバム『÷(ディバイド)』が、2017年3月3月に全世界でリリースされた。本作は、2014年にリリースした2ndアルバム『x(マルティプライ)』以来、およそ3年ぶりの新作で、1月6日にリリースされた先行シングル「シェイプ・オブ・ユー」が全世界でNo.1獲得を果たし、1月30日に公開されたミュージック・ビデオは、これまでに2億5000万視聴回数を記録している。

 ラップを絡めたアコースティックギターの弾き語り「イレイサー」で幕を開け、続いてはスタンダードなブリット・ポップ「キャッスル・オン・ザ・ヒル」、サザンソウルのような熱を帯びた「ダイブ」を挟み、大ヒット中の「シェイプ・オブ・ユー」へと続く。

 「パーフェクト」や「ハピヤー」、「ハーツ・ドント・ブレイク・アラウンド・ヒア」、アルバムのリリース前に弾き語りで披露された「ハウ・ウッド・ユー・フィール(ピーアン)」など、エドのお得意とする泣かせのメロウも充実。キーボード1本でシンプルに仕上げた「スーパーマーケット・フラワーズ」もすばらしい。

 カントリー調の「ビビア・ベ・ィエ・ィエ」や、民族音楽「ナンシー・マリガン」、バイオリンがフィーチャーされた「ゴールウェイ・ガール」など、ジャンルをクロスオーバーした曲が、アルバムのアクセントになっている。長期休暇中に、全世界を周ってきたことが本作の音にも活かされている。2014年の大ヒット曲「ドント」を思わせる「ニュー・マン」も秀逸。最後はピアノの弾き語りで歌い上げる「セーブ・マイセルフ」で幕を閉じる。

 どの曲もシングルとしてリリースできる、クオリティの高いナンバーが目白押しで、静と動が見事に調和した、聴き手を飽きさせない構成になっている。エド自身、「これまでに作った中でも最高のアルバム」と話しているだけはある、すばらしい作品だ。

 全曲エド・シーラン自身が制作を手掛け、ベニー・ブランコやスティーブ・マック、ジョニー・マクデイドなど、前2作に参加したプロデューサーたちをはじめ、UKのシンガーソングライター、エイミー・ワッジや、ワンリパブリックのライアン・テダー、新世代のR&Bシンガー、ジェシー・ウェアの名前もクレジットされている。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『÷』(ディバイド)
エド・シーラン
2017/3/3 RELEASE
https://goo.gl/KYICTT