■選抜に出場する秀岳館

 最近、秀岳館野球部・鍛治舎監督の去就問題でマスコミが賑わっている。2日、熊本に強豪校を作り上げた鍛治舎監督が「今月限りで退任か?」と噂されたからである。理由としてあげられていたのが、財政問題が逼迫しているためと言われていた。しかし本人はそれを否定し、続行の意を表す。

 とりあえず早急の退任はないものの19日から行われる選抜高校野球で注目を浴びるのは間違いない。昨年春夏連続で甲子園ベスト4に輝いた秀岳館高校。さらにはNHKで甲子園の解説を勤めた鍛治舎監督を注目する甲子園ファンは少なくない。この騒動が単なる注目集めとしたものかどうかは分からないが、煮え切らないものがある。

 というのも鍛治舎監督、もしくは秀岳館高校が何かとお騒がせのチームだからだ。強豪だから注目を浴びるというのはあるのだが、単なる強豪チームとは若干色合いが異なる。熊本出身の選手が極端に少ないということもあるが、それを言えば東北の強豪校にも同じことが言える。さらなる「異質さ」が秀岳館高校にはあるのだ。

■鍛治舎監督と秀岳館高校

 鍛治舎監督は日米大学野球で日本代表の4番バッターを勤めたほどのスラッガーだ。阪神からドラフト2位で指名されたものの、それを断り社会人野球に所属し続けた。1987から91年までパナソニックの監督を引き受ける傍、中学硬式野球チームの「オール枚方ボーイズ」の監督も兼任。オール枚方ボーイズを12度も日本一に輝かせるといった凄腕の監督である。

 秀岳館の異質さは何も鍛治舎監督を迎え入れたことだけではない。秀岳館高校は熊本県の学校だが、昨年のベンチ入りメンバーに熊本出身はゼロ。さらに驚くべきことに自身が監督をしていたオール枚方ボーイズの選手を根こそぎスカウトしたのだ。実際昨年のスタメンのうち7人がオール枚方ボーイズ出身の選手だった。

■高野連から嫌われている秀岳館

 秀岳館が高野連から良くないと思われている点は他にもある。「走者によるサイン盗み」疑いがあるのだ。これは社会人野球ではよくあることらしく、社会人野球出身の鍛治舎監督はマークをされている。野球玄人でなければ「考えすぎでは」と思うのだろうが、鍛治舎監督を知るものは「クロだ」としている人も少なくはない。

■何かとお騒がせする秀岳館

 昨年夏、秀岳館の野球部が甲子園を勝ち進んだ事により可哀想な目にあったクラブがある。吹奏楽部だ。同校の吹奏楽部はコンクールと野球応援が重なり、野球応援をする事となった。この決定を「部員の意向で」とは言われているが、「学校の圧力がかかっているのでは?」という世間の声は多かった。

 何かと注目を浴びる秀岳館。鍛治舎監督の去就が「単なる話題作りでなければいいのだが」と切に願う。間違っても選手達にはブーイングを送って欲しくはない。