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監視カメラの映像を、防犯だけでなく "顧客属性の把握" といった目的でも利用するソリューションが、レジャー業界や小売業界を中心に現在注目を集めています。

従来、この領域のソリューションは、コストの高さに加え、システム構築の面でも大規模な工事が必要になるなど、導入までにいくつもの困難が伴っていました。株式会社アロバの提供する「アロバビューコーロ」は、Microsoft Azureを基盤とし、Azure Cognitive Servicesといった機械学習のAPIを積極的に活用することで、「高度な解析精度」でかつ「高いコストメリット」を顧客へ提供。先の困難を解消したソリューション展開を行っています。

この優位性を評価し、株式会社東京サマーランド(以下、東京サマーランド)はいち早くアロバビューコーロを導入。感覚的な判断に拠るのではなく、データに根拠立てされた来場者の属性と満足度を把握することで、精度の高いマーケティング活動を実践しています。

プロファイル

「常に新しい『水遊び』と『冒険』を提案する」という方針のもと、全天候型での総合レジャー施設を運営する株式会社東京サマーランド。日本初の最強アトラクション「DEKASLA(デカスラ)」を2014年夏にローンチするなど、旧態依然ではなく常に新たな施設拡張やイベント展開を実践する同社では、今後、映像解析を活用した正確な来場者データをもって、顧客の笑顔を生む取り組みを続けていきます。

○導入の背景とねらい
来場者の属性、満足度が十分に把握できず、マーケティング活動のボトルネックとなっていた

東京都あきる野市にて昭和42年より運営を開始した総合レジャー施設「東京サマーランド」。全天候型のアドべンチャードームを中心に、国内最大級の流れるプールや巨大ウォーターアトラクションなどを構える同施設は、年間で約100万人もの来場者が訪れる人気スポットです。

これを運営する東京サマーランドでは、毎年多く訪れる人々をリピート化し、新規顧客も経常的に獲得すべく、これまでさまざまなマーケティング活動に取り組んできました。

東京サマーランド 開発営業部 企画宣伝課 次長 荒川 浩治氏は、同社におけるマーケティング活動の重要性について、次のように説明します。

「ピークシーズンの8月には1日平均10,000人もの方が来場します。今後も多くの方へ当施設の利用を継続いただくには、こうした既存顧客のリピート化と新規顧客の獲得が欠かせません。そのためには、東京サマーランドにある40の施設について、お客様が各施設に対してどのような評価をし、何を求めているのかを見定める必要があります。特にファミリー層はリピーターとなる可能性が高く、その層に最適なイベントや施設拡張を実施し、高い満足度を獲得するマーケティング活動が、長期的なビジネス戦略においては重要となるのです」(荒川氏)。

施設内のキャンペーン展開から施設外での広告宣伝活動に至るまで、同社 企画宣伝課が実施するマーケティング活動は多岐にわたります。しかし、こうした活動の根幹となる「来場者の属性、満足度の把握」においては、これまでその網羅性に課題があったといいます。荒川氏はそのために、「マーケティング戦略を立案するうえで、どうしても感覚的な要素が含まれていました」と語ります。

東京サマーランドの入園チケットは、施設入り口にある窓口販売だけでなく、Webの予約サービスやコンビニエンス ストアの店頭でも販売。このほか株主優待券でも配布しており、来場者がチケットを手にする経路は多様化しています。これは、顧客層の把握を難しくする大きな要因でした。

「窓口でのチケット購入であれば、POSへの入力時に顧客属性の入力が可能です。しかしそれは来場者全体の半分ほどに過ぎず、もう半分は別の経路からチケットを入手します。また、POSに入力される属性情報はどうしても係員の感覚値によってしまうため、来場者層の正確な把握には、網羅性と精度の面で課題があったのです。さらに、園内でお願いしている来場者アンケートの収集率は高くても2%ほどで、属性だけでなく満足度の把握においても対策が必要でした。さまざまな方法でこれらの解消を試みたものの有力な手段が見つからず、結果として時間だけが経っていたのが実情です」(荒川氏)。

たとえば東京サマーランドの Web サイト上に電子チケット販売のしくみを敷くことで、購入者属性の正確な把握は可能になります。しかしその購入方法が全顧客へ浸透するかというと、入手経路の多様化が進む昨今、現実性に乏しいといえるでしょう。また、同じく Web サイトを訪れるオーディエンス データの分析とその活用も方法として考えられますが、そこには来場者との紐付けを行うしくみが必要です。こうしたさまざまな手法を同社は検討しましたが、いずれもその現実性を背景に、具体的な実装には至らなかったのです。

○システム概要と導入の経緯、効果
Azure Cognitive Servicesを組み込む顔認識ソリューションが、属性と満足度双方の見える化を支援

来場者属性と満足度の把握へ向けトライ アンド エラーを重ねてきた東京サマーランド。この活動は、2016年に参加した販促関連の展示会で転機を迎えます。防犯カメラ、監視カメラ録画システムを提供する株式会社アロバ(以下、アロバ)のクラウド型マーケティング ソリューション「アロバビューコーロ」に、課題解決への可能性を感じたのです。

アロバビューコーロは、ネットワーク カメラの映像を解析し来場者の数と属性、感情を分析するサービス。Azureを基盤として提供する同サービスでは、機械学習の API を提供するAzure Cognitive Servicesや、BIサービスであるPower BIが利用されています。

アロバ 営業部 田子 未来氏は、アロバビューコーロの特徴として、「高度な解析精度」と「高いコスト メリット」の双方を両立している点を挙げます。

「近年、"データ活用" という観点で、カメラ映像の活用ニーズが広がりをみせています。これを受け各ベンダーから、カメラ映像をマーケティングに活かすソリューションが続々と提供されています。しかしその多くは、映像解析エンジンの構築にかなりの開発コストを要する背景から、導入に多額の投資を必要とします。お客様にとってこのソリューションは未知の領域であり、そこへ多額の資金を投入するのはハードルが高いのではないか、と当社では考えております。アロバビューコーロはこのエンジンにAzure Cognitive Servicesを採用し、開発費を最小限に押さえたことで、高度な解析精度と高いコスト メリットを両立していることが特徴です」(田子氏)。

Azure Cognitive Services は、画像や言語、音声などさまざまな領域において 20種のAPIを提供(2016年12月現在)する、機械学習のAPIおよびSDK群です。アロバビューコーロでは、画像内の顔情報から属性解析を行う「Face API」と、感情解析を行う「Emotion API」を採用。これにより、最先端の解析処理アルゴリズムが廉価に利用でき、月額10,000円という低コストでアロバビューコーロを提供しています。Power BIもパッケージ化して提供することで、レポーティングを含むPDCAのサイクルをマイクロソフト プラットフォーム上でまわすことができ、運用も迅速化できます。

こうした、アロバビューコーロが持つ「高度な解析精度」「高いコスト メリット」「PDCAサイクルの迅速性」を評価し、東京サマーランドではサービスの案内後すぐその導入を決定したと、荒川氏は語ります。

「顧客属性と満足度の把握は、当社にとって最優先課題のひとつであり、アロバビューコーロを知ったときすぐにでも検証したいと思いました。通常であれば有用性がわからない製品への巨額の投資はできません。事実これまでも、さまざまなソリューションが候補に浮かんでは実装に至らない、という状況が続いていました。アロバビューコーロは月額10,000円から利用できるため、このハードルが低く、またクラウド サービスのため契約後すぐに利用開始できます。検討時は解析精度の高さや効果の有無までは不明瞭でしたが、導入後にPDCAサイクルをもってこれらを高めていくことも知り、投資価値としては充分にあるだろうと判断しました。製品の案内を受けたのは2016年7月でしたが、当月中には導入を決定しました」(荒川氏)。

「解析エンジンに Azure Cognitive Servicesを利用したことで、収集映像は非常に高い解析精度で活用できます。しかし監視カメラの設置位置やその角度、距離や明るさ、シャッター スピードなどによって、人物の顔を撮影することが難しいケースがあります。したがって、この領域の製品は基本的に、導入後の数か月は解析精度の向上に向けたチューニングが不可欠となります。逆に言えば、そうした調整を前提とした、コスト面と柔軟性面のソリューション設計があるからこそ、当社サービスはお客様より高い評価をいただけるのだと考えています」(田子氏)。

○導入の効果
「感覚と実態の差異」の把握が、マーケティング施策の効果を高める

アロバビューコーロの採用を正式決定した後、東京サマーランドは同月中に、ネットワーク カメラと処理用システムの構築を実施。通常、園内に設置する処理システムにはスティック型 PC が利用されますが、1日10,000人規模の来場者を安定して処理すべく、同社では Windows Embedded Standard7を搭載したアイ・オー・データ機器製「アプライアンスBOX」をこの部分に採用。来場者数がピークを迎える同年8月より、監視カメラを利用した映像解析を開始しました。

導入から数か月を経た現在、荒川氏は「既に来場者の解析精度を高いレベルにまで向上できている」と、笑顔で語ります。

「PDCA前提というアロバのコメントどおり、運用を開始した8月当初はまだ実際の来場者数と映像解析で判別できた人数との間に乖離がありました。しかしその後、アロバと共同でPDCAを続けたことで、11月の段階では1日あたりの乖離を誤差の範囲にまで圧縮できています。11月はオフシーズンのため、この精度を8月のピーク シーズンに担保できるかが重要ではあるものの、信頼できる水準には現時点でほぼ到達できています。収集した属性や満足度(感情)の活用も今後期待できるでしょう。導入決定からわずかな期間で、大きなコストもかけずここまで到達できたことは、大いに評価すべきです」(荒川氏)。

荒川氏が語るとおり、東京サマーランドにおける来場者の属性、満足度の網羅的な把握は、間もなく実現されようとしています。Power BIを介して見える化されるこうした情報が、既にマーケティング活動へ新たな視点を生み出していると、荒川氏は続けます。

「係員からの報告といった『感覚的な視点』から、これまで当施設の顧客層は女性がグループで来場するケースが多いと考えていました。しかし、アロバビューコーロを利用した11月の属性分布では、男性顧客の方が多いことがわかったのです。こうした『感覚と実態の差異』を把握することは、正確なマーケティング活動を展開するうえで欠かすことができません。アロバビューコーロの情報を活用することで、今後取り組んでいくキャンペーンやイベント、広告宣伝の効果も高められると期待しています」(荒川氏)。

○今後の展望
40ある各施設へもネットワーク カメラを設置し、施設単位での満足度向上も行っていく

毎年12月から2月までの3か月間、東京サマーランドは休園となります。この期間を利用し、東京サマーランドでは3月の開園に向けた、アロバビューコーロのさらなる解析精度向上に取り組んでいく予定です。ピークシーズンにおいても高精度の映像解析が実現できた後は、本格的なデータ活用のフェーズになると、荒川氏は期待を寄せます。

「現在はすべての来場者が通過する入場ゲートにネットワーク カメラを1台設置し、その映像をもってアロバビューコーロを運用しています。そこでは全来場者の属性やその数、満足度の把握が可能です。しかし、本質的に考えるのであれば、園全体だけでなく各施設にまで踏み込んで、これらを見える化する必要があるでしょう。今後は、40ある施設のすべてで満足度の向上を図るべく、それぞれにネットワーク カメラを設置し、施設ごとで属性や満足度のデータを取得していくことができればと考えています。こうした取 り組みをもって、既存顧客のリピート化と、注力すべきファミリー層の獲得の双方を実現していきたいと考えています」(荒川氏)。

荒川氏が語る構想へ向け、田子氏も今後、アロバビューコーロを介したさらなる支援を続けていきたいと意気込みます。

「東京サマーランド様の期待に応えられるよう、当社としても解析精度のさらなる向上を目指してまいります。また、まだ構想段階ですが、将来的には音声からユーザーの意図を理解する『Bing Speech API』や、物体画像から意思決定に役立つ情報を抽出する『Computer Vision API』などを現行のサービスに組み込むことも構想しています。アロバビューコーロで行える解析の幅と深さをもって、支援を継続していきたいと考えています」(田子氏)。

Azureを基盤に採用することで、アロバビューコーロは「高度な解析精度」と「高いコスト メリット」の双方を顧客へ提供します。同ソリューションを利用する東京サマーランドのマーケティング活動は、今後さらに発展し、ひいてはそれが、これまで以上に多くの人々の笑顔を生むことになるでしょう。

ユーザー コメント
「係員からの報告といった『感覚的な視点』から、これまで当施設の顧客層は女性がグループで来場するケースが多いと考えていました。しかし、アロバビューコーロを利用した11月の属性分布では、男性顧客の方が多いことが分かったのです。こうした『感覚と実態の差異』を把握することは、正確なマーケティング活動を展開するうえで欠かすことができません。アロバビューコーロの情報を活用することで、今後取り組んでいくキャンペーンやイベント、広告宣伝の効果も高められると期待しています」

参考URL
当記事で登場した、アロバビューコーロのソフトウェアを稼動すべく採用された アイ・オー・データ機器「アプライアンスBOX」について、導入事例を紹介しています。

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