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スペイン・バルセロナで3月2日まで開催された「Mobile World Congress 2017」で、ZTEは5G向けコンセプト機「Gigabit Phone」を発表した。Gigabit Phoneは下り最大1Gbpsの通信が可能な5Gに向けたコンセプトで、今後2〜3年をめどに実現を目指す。会期中、ZTE モバイルデバイス EMEA及びAPAC担当CEO、Jacky Zhang氏に、日本市場での取り組み、差別化などについて聞いた。

○柱は普及帯のBLADE、今後はフラッグシップのAXONに注力

LTEの次の世代となる5Gは2020年商用化と言われていたが、会期中、チップ製造メーカーや端末メーカー、通信事業者ら22社が5G標準仕様の早期策定に合意。1年前倒しした2019年の商用化を目指すと発表した。また、米Verizonなどいくつかの通信事業者では独自に早期の実証実験を開始するなど、気運が高まりつつある。

ZTEはネットワーク事業も持つが、すでに2、3年前から"プレ5G"として商用ネットワークを提供している。日本では2016年にソフトバンクと提携し、5Gネットワーク技術「Massive MIMO」を展開した。

端末ベンダーの競争は激しいが、同社の端末事業の成長を牽引しているのは、日本でも展開する普及価格帯の「BLADE」ラインだ。Zhang氏は、今後のフォーカスはフラッグシップの「AXON」ラインともいう。「AXON 7は魂を込めた端末。オーディオに特化した機能、初のGoogle Daydream対応などの特徴をもち、欧州市場でも知名度が向上してきている。フラッグシップ製品として力を入れていき、これからユーザーをとっていく」とZhang氏。

技術面では、Google Daydream対応を皮切りにVR、AR、AIなどの最新技術を取り込んでいく。AIについては、「近い将来、エンドユーザーに近いAI搭載端末が出せると確信している」とZhang氏、同社は研究開発に力を入れており、特許出願の件数が上位3位につけていることも紹介した。

○日本向けに防水、おサイフスマホも検討

ZTEでは日本市場を「ハイエンドマーケット」と位置づけ、フラッグシップ製品を中心に展開する予定だという。

また、「地域にあわせたカスタマイズが重要」ともコメント。日本でいえば、定番機能である防水、おサイフなどの仕様やアプリの取り込みが考えられそうだ。Zhang氏は「日本のユーザーの声を聞いて、需要があれば製品設計に生かしたい」という。

製品ラインナップの拡充に加え、同社が製造を手がけるドコモの一括648円スマホ端末「MONO」のような、求めやすい価格帯かつ防水などの日本ユーザーが求める特徴や機能を持つ端末も、需要があれば展開するという。MONOはNTTドコモ向けだが、他の通信事業者についても「ニーズがあるなら各販売チャネルに展開したい」とした。

これらを通じて、国内でブランドの知名度を上げていくという。また人材戦略も重視しており、販売や研究開発で現地に優秀な人材を採用したいと述べた。

日本市場での今後の取り組みについては、通信事業者(キャリア)向けのBtoBビジネスと、SIMフリー市場の両輪で展開。日本で育ちつつあるSIMフリー市場へは「BLADE、AXONのSIMフリー市場での展開を積極的に進める」とZhang氏。通信事業者向けとSIMフリーの両方を強化することは、「相乗効果につながる」と期待を語った。

なお、BtoBとSIMフリーの両輪戦略は全世界でも同じで、販売チャネル数は259に達しているとのことだ。

(末岡洋子)