在日本朝鮮人総連合会機関紙・朝鮮新報は先月28日、故金正日総書記の専属料理人として知られる藤本健二氏が平壌に料理店を開業したと報道した。これまで藤本氏について言及してこなかった北朝鮮当局が突然ニュースにした背景に注目が集まっている。写真は北朝鮮。

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2017年3月3日、韓国・中央日報によると、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙・朝鮮新報は先月28日、故金正日総書記の専属料理人として知られる藤本健二氏が平壌に「平壌ラーメン屋」を開業したと報道した。これまで藤本氏について言及してこなかった北朝鮮当局が突然ニュースにした背景に注目が集まっている。

藤本氏が北朝鮮メディアに登場したのは今回が初めて。藤本氏は昨年8月に北朝鮮入りした後、音信不通となっていた。先月、平壌で藤本氏に会ったという消息筋は「失踪説などのうわさも流れていたが、彼は元気に暮らしている」と説明した。また、朝鮮新報は藤本氏が材料や調味料を購入するため、中国を訪れていたことも伝えたという。

藤本氏に関して沈黙を貫いてきた北朝鮮が機関紙を通じてニュースを伝えた理由を明らかにするため、中央日報は藤本氏の発言に注目している。藤本氏は料理店を始めた動機について、「日本と北朝鮮の関係改善と国交正常化に寄与するため。両国の間にはさまざまな問題があるが、いつか必ず誤解が解けて和解する日が来る」と話したという。これについて、中央日報は「北朝鮮当局は藤本氏のニュースを伝えることで、日本と北朝鮮の国交正常化に向けた解決策を見いだしたかったものとみられる」と分析した。

また、藤本氏は昨年4月に北朝鮮から日本に戻った際の日本メディアとのインタビューで、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に「北朝鮮と日本の懸け橋になってほしい」と言われたことを明らかにしていた。しかし、韓国の当局者や専門家らは藤本氏に外交的な役割を期待するのは難しいとみている。藤本氏は結局、安倍晋三首相と面会できずに北朝鮮へ帰ったという。一方、韓国政府傘下の研究機関の北朝鮮専門家は「金正男(キム・ジョンナム)暗殺と核・ミサイル問題により外交的孤立に追い込まれた北朝鮮が、日本を脱出口と考えている可能性がある」とし、「北朝鮮の動きが活発化する場合、日本政府の対応が注目される」と述べた。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「藤本氏も北朝鮮について多くのことを知っている。今のうちに逃げた方が…」「背後から迫る女性に気を付けて」など、藤本氏の身を案じる声が上がった。その他、「一介の飲食店店長を外交官にしようとしたなんて。まるでコメディー」「北朝鮮は相当焦っているようだね。でも彼らに日本を味方にするだけの能力はない」などと北朝鮮に批判的なコメントや、「外交的孤立に追い込まれているのは韓国も同じ。米国のFTA撤回、日本の歴史歪曲(わいきょく)、中国の経済報復と韓流締め出しで国はひどい状態だ」「従北をなくす方法は北朝鮮を滅亡させること。韓国は北朝鮮の崩壊を最優先課題にしなければならない」「北朝鮮はずっと日本との国交正常化を望んできた。しかし、拉致問題で意見がぶつかり、かなわずにいる。これは韓国にとって本当にラッキーなこと。韓国人はもっと安保に危機感を持つべき」「韓国と親交の深い米国、日本、中国がどの国よりも統一を嫌がっているように感じるのはなぜだろう?結局、統一を望んでいるのは韓国国民だけ?」などと指摘するコメントもみられた。(翻訳・編集/堂本)