買ってきたカツでOK! ウマい「かつ丼」のつくり方

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湯島「くろぎ」店主 黒木純様

「かつ丼」が無性に食べたくなるときがあります。できれば、自宅で手軽に楽しみたいのですが、わざわざかつを揚げるのは、面倒くさくてどうもやる気がおきません。そこで、とんかつを買ってきて、家でかつ丼をつくってみようと思い立ちました。口にした瞬間、思わずウマい! と膝を打つようなものをつくることはできますか? お知恵をお菓子いただけたらうれしいです。

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■「丼つゆ」さえあれば家でウマいかつ丼ができますよ

もちろん、自分でかつを揚げるのが、パーフェクトにおいしいかつ丼をつくるために必要なプロセスだとは知っている。

なのだが、粉と油にまみれた使用後の台所を想像するだにありえない。怠け者とそしられてもいい。ただ、買ってきたかつで旨いかつ丼がつくりたいのだ。

そんな積年の悩みの解決に快く応じてくれたのが、湯島「くろぎ」店主にして“若き和の鉄人”黒木純さんだ。そこで、デパ地下で買ったとんかつを持参して、かつ丼づくりの教えを請うことにした。

まず最初に、持参したデパ地下とんかつをチェック。

「揚げすぎで、肉の水分が抜けてしまっています。揚げ油のにおいも気になりますね。どんなとんかつを使ってもおいしくできるよう、今日はだしと玉ねぎに頑張ってもらいましょう」

黒木さんの教えは大きく2つ。

まずは、その一、「玉ねぎの力を借りて、おいしい丼つゆをつくるべし」。

玉ねぎを飴色になるまで炒めて旨味をプラス。また、玉ねぎには、豚肉の臭みを消す効果もある。

その二、「とんかつは薄く切るべし」。

とんかつをカットする際の厚さは、驚きの5mm! これはおいしい丼つゆを満遍なくしみ込ませ、短時間で均一に火を通すため。

「丼つゆの配合の割合? 僕の好みです。一番ご飯に合うと思ったから」

果たして、鉄人黒木の直感に狂いはなかった。一口かっ込めば、分厚いだしの風味が、とろりとした卵ととんかつを抱き込んでご飯とからみ合う。玉ねぎが紡ぎ出す、すっきりとした甘味で最後まで食べ飽きない。

日本中から予約が殺到する割烹の大将が考える、美味しいかつ丼の秘密は、当たり前の材料にひと手間かけること、だった。奇をてらうのではなく、素材の背中を押したり、少し引いたり。さすが素材の魔術師である。

願いは今叶えられた。買ってきたかつのかつ丼最強レシピ、ここに完成だ!

■くろぎ流 かつ丼

▼まずは丼つゆをつくります

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●丼つゆの材料(4人分)
・玉ねぎ 3/4個(すりおろして炒め玉ねぎをつくります。)
・鰹だし 240ml(顆粒だしを使ってもOK。)
・味醂 140ml(甘さはかつ丼のポイントです。)
・醤油 60ml(濃口でご飯に合う味に仕上げます。)
・昆布 10cm角(少し大きめ、贅沢に使います。)
・サラダ油 少々(炒め玉ねぎづくりに使います。)

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▼つくり方

(1)玉ねぎは、1/2個を粗めのおろし金ですりおろし(写真A)、1/4個を薄くスライスする。

(2)フライパンに薄くサラダ油をひき、(1)の玉ねぎをすべて入れ、中火にかける。

(3)焦げないように弱〜中火に加減しながら、水分をとばすように炒める。飴色になるまで20分ほど炒めるのが理想だが(B)、時間がなければ十分甘味が出るくらいまで炒めること。

(4)(3)に鰹だし、味醂、醤油、昆布を加えて強火にかける(C)。

(5)沸騰したら弱火にし、10分煮たら「丼つゆ」の完成。

▼いよいよ、かつ丼を仕上げます

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●かつ丼の材料(1人分)
・買ってきたとんかつ(ロース)1枚(薄めのものを選びましょう。)
・卵 1個(調理する直前まで冷蔵庫に入れておいて。)
・丼つゆ 80ml(先につくっておいたつゆを使います。)
・玉ねぎ 1/4個(薄くスライスしておきましょう。)
・三つ葉 適量(長さ1.5cm程度に切ります。)
・ご飯 茶碗1杯(普段より少し硬めがいいでしょう。)

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▼つくり方

(1)かつの衣や肉の断面が丼つゆをよく含むよう、薄めの5mm幅にカット(写真A)。とんかつを皿にのせ、ラップをかけずに電子レンジで30〜40秒温める(オーブントースターでも可)。

(2)卵をボウルに割り入れ、菜箸で溶く。白身を切るように、勢いよく約10回(B)。ただし溶きすぎに注意。黄身と白身がマーブル状になるのを目指そう。

(3)親子鍋(小さいフライパンでも可)に、丼つゆ、玉ねぎを入れる。中火で玉ねぎがしんなりするまで煮たら、(1)のかつを加える。三つ葉の茎の部分を上から散らし(C)、手早く(2)の溶き卵を流し入れる(D)。すぐ蓋をし、弱火で30秒。もたつき厳禁、程よい半熟加減に仕上げよう。

(4)丼にご飯をよそい、(3)のかつ煮を上に滑らせるように盛りつける。卵のとろとろの部分が流れ落ちないように気をつけて。三つ葉の葉の部分を上から散らし、完成。

(文・星野一樹 撮影・牧田健太郎)