2日、韓国・ヘラルド経済などによると、韓国への配備が正式決定した高高度防衛ミサイル(THAAD)が悪天候では正しく作動しないとの指摘が専門家から出され、韓国で波紋を呼んでいる。写真はソウル。

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2017年3月2日、韓国・ヘラルド経済などによると、韓国への配備が正式決定した高高度防衛ミサイル(THAAD)が悪天候では正しく作動しないとの指摘が専門家から出され、韓国で波紋を呼んでいる。

メディア報道の監視を行う韓国の団体「平和ネットワーク」の代表で、核・ミサイル分野の専門家チョン・ウクシク氏はこのほど出演したラジオで、「マスコミではほとんど表沙汰になってないTHAADのとんでもない限界」を明かした。その限界とは、THAADの稼働が天候に左右されるということ。チョン氏は「非常に寒かったり雨が多かったり、または雪が降ったりほこりが多かったり、こうした場合には迎撃ミサイルが正常に作動しないということが米国防総省の実験評価報告書に出てくる」と述べた。

最先端のレーダーで捕捉し最先端の電子機器を使って発射するのに、なぜそれほど天候に影響されるのかとの問いにチョン氏は、「落下してくるミサイル弾頭から発生する熱を、内蔵された赤外線シーカー(目標探索装置)で感知し、弾頭に直接衝突するように制御する」とTHAADの仕組みを説明、この「赤外線シーカーの前にガラスのようなものが設置されており、天気が非常に寒いと水滴が付着するし、ほこりが多ければ弾頭の識別が難しくなる」とその問題点を解説した。赤外線シーカーの問題は、雨や雪が多い時も同様に発生するという。

チョン氏はこの他にもTHAAD配備以降に残る課題として、「命中率」「破壊力」「迎撃範囲の限界」「北朝鮮が1000発余りのミサイルを保有していること」などを挙げた。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「弾道ミサイルを迎撃システムで完全に対応できると考えていることが間違い」「最新型の戦闘機を数百台増やすことが合理的じゃないか」とする冷静な意見のほか、「THAADは米国の詐欺だった」「ロッキード・マーチン(THAADの製作企業)にだまされた」など、米国への不満の声もみられた。また、「でもTHAAD以外に手がないんだよなあ」と、THAADに頼るしかない現状を嘆く声もあった。(翻訳・編集/三田)