外為オンラインアナリストの佐藤正和さん(写真)に、トランプ政権に揺れ動く3月の相場動向について話を伺った。

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 トランプ政権の政策が相変わらず世界を振り回している。為替市場ではレンジは狭いものの活発な取引が行われており、トランプ大統領の政策が明るみになるにつれて、米国では株高も続いている。とはいえ、トランプ大統領が掲げる様々な政策の実現性となると、その財源はどうするのか、といった疑問の声も根強い。外為オンラインアナリストの佐藤正和さん(写真)に、トランプ政権に揺れ動く3月の相場動向について話を伺った。

――米国経済の好調さが報じられていますが、利上げはあるのでしょうか?

 トランプ政権が打ち出しているインフラ整備や大型減税を背景に、FRB(米連邦準備制度理事会)が早ければ3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で金利を引き上げるのではないか、という観測が高まっています。3月14日-15日に開催されるFOMCで米国の金利引上げがあれば、ドル円やユーロドル相場に影響が出るのは間違いありません。

 問題は利上げの可能性ですが、米国の民間調査機関「コンファレンス・ボード(CB)」が発表した2017年2月の「米消費者信頼感指数」は114.8ポイントとなり、2001年4月以来16年ぶりの高い数値になりました。やはり、トランプ政権の大型減税などによって、個人の消費マインドも上がっていると考えて良いようです。

 3月10日に発表される雇用統計次第ですが、いまのところ金利引上げがあるかどうかの確率は90%程度となっています。3月の利上げがあれば、今年は3回の利上げが予想されることになります。

――イベントとしてはどんなところに注目すればいいでしょうか?

 先月までは、3月利上げの可能性は3割程度だったのですが、ニューヨーク連銀のタドリー総裁がCNNのインタビューで「金融政策引締めの根拠は説得力を増している」と述べ、早めの利上げに前向きな姿勢を見せました。また、サンフランシスコ連銀のウィリアム総裁も、3月のFOMCでは「(金利引上げが)真剣に協議される」と語っています。

 3月3日には、イエレンFRB議長とフィッシャーFRB副議長の講演があり、そこでどんなことが語られるかも注目すべきでしょう。いずれにしても、3月14日-15日に開催されるFOMCに要注目です。

 もともと、FRBが金利を引上げるためには「雇用」と「物価」という2つの目標がありました。物価は、このところ予想を上回る上昇を見せており、雇用も失業率が最低レベルにまで下落。これで賃金が上昇して行けば、問題なく利上げが確実視される環境が整うことになります。

 3月のドル円の予想レンジとしては、1ドル=111円-116円、というところでしょうか。なお、日銀の金融政策決定会合も3月15日-16日に開催される予定ですが、日銀の金融政策に大きな変化はないと思われます。

―-米国の金利引上げでユーロにも影響が出るのでしょうか?

 このところ「ユーロドル」が下落傾向にありますが、これも米国の金利引き上げ観測が強まっているためと思われます。実際、金利引上げが3月に実施されるかどうかはともかく、今後ともユーロは売られる傾向が強まると思います。

 というのも、3月15日にはオランダで総選挙が実施され、さらにフランスでも4月に大統領選挙が行われる予定です。オランダでは反EU、反移民を掲げる「自由党(PVV)」が想定以上の勝利を納めた場合、ユーロ全体に大きな影響をもたらす可能性があります。フランスでは極右政党の「国民戦線(FN)」率いるルペン党首が、第1回目の投票で勝利する可能性が高まっています。2回目の決選投票でも勝利するかどうかは分かりませんが、EU離脱を掲げるルペン党首が勝利するようなことになったら、EUは大きな転換を余儀なくされます。そういう意味ではユーロにリスクがあり、ユーロが売られる原因になっているようです。