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STマイクロエレクトロニクスは3日、長距離IoT通信向けに、LoRaWANやLPWAN技術の評価・開発を低コストで始められる「B-L07Z2-LRWAN1 Discovery kit」と「I-NUCLEO-LRWAN1」2種類の開発ボードを発表した。

このたび同社が発表したのは、LoRaWANや6LoWPANなどの各種省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-Power Wide Area Network)技術の評価・開発を低コストで始められる、2種類の開発ボード。現在入手可能な最小かつ低消費電力のLoRaWANモジュール(サイズ:13×12mm以下、消費電力:スタンバイ・モード時に1.2μA以下)がベースとなっており、高いコスト効率が見込まれる。

「STM32 LoRa Discovery kitのB-L072Z-LRWAN1」(価格:46.50ドル)は、STM32L072CZマイクロコントローラとSemtechのSX1276トランシーバを集積して一体化した村田製作所のオープン・モジュールがベース。LoRaモデムを搭載し、超長距離スペクトラム拡散方式の通信や高い耐干渉性とともに、消費電流の最小化を実現している。

同モジュールはオープンのため、開発者はSTM32L072マイコンとペリフェラル(ADコンバータ、 16bitタイマ、ロー・パワーUART、I2C、SPI、USB2.0FS 等)にアクセスできるほか、組込みソフトウェア・ライブラリのSTM32L0 HAL(ハードウェア抽象化レイヤ)およびLL API(ロー・レイヤAPI)を利用してアプリ開発が可能で、STM32 Nucleoの開発エコシステムや広範なArduino拡張ボードを活用して同ボードの機能を拡張できる。

また、B-L072Z-LRWAN1 kitには、オンボード・デバッガ、STM32 Nucleo用morphoコネクタ(64ピン)、Arduino互換コネクタ、電源ソケットが搭載され、MDK-ARM統合開発環境(IDE)、初期設定ツールのSTM32CubeMXと各種ソフトウェア・ツール、STのLoRaWANプロトコル・スタック(I-CUBE-LRWAN)などの開発エコシステムを無償で利用できる。

一方、「I-NUCLEO-LRWAN1」(価格:25ドル)は、STM32 NucleoボードまたはArduinoボード用の拡張ボード。LoRaによる通信やFSK/OOK(周波数偏移変調/オンオフ変調)通信用アプリケーションの開発を、メイン・ボードに接続するだけで始めることができる。同ボードには、STM32L052T8マイコンとSemtechのSX1272トランシーバを集積したUSIのLoRaWANモジュールが搭載されている。同モジュールにはATコマンド・スタックが組み込まれており、プログラミングの手間が省ける。なお、I-NUCLEO-LRWAN1ボードには、IoT機器の開発に役立つSTの3軸加速度センサや気圧センサ、温湿度センサが搭載されている。

なお、両ボードともLoRaWANの認証を取得済みで、860〜930MHzの周波数帯域利用に関する各国(米国、EU、ロシア、インド他)の無線通信規則に準拠している(現在、日本の無線通信規則への対応を準備中)。業界標準プロトコルに加え、長距離通信を行うIoT機器向けに独自のLPWANプロトコルにも対応し、スマートメータや警報システム、トラッキング装置、測位機器、環境センサ、アクティビティ・センサなどに適している。

B-L07Z2-LRWAN1 Discovery kitおよびI-NUCLEO-LRWAN1ボードは、現在、販売代理店およびSTのウェブサイトから入手可能となっている。

(早川厚志)