韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備をめぐって、中国では韓国ロッテのボイコットを求める声が高まっている。写真は吉林省にあるロッテマート。

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韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備をめぐって、中国では韓国ロッテのボイコットを求める声が高まっている。

2月27日、韓国ロッテグループは取締役会で、慶尚北道星州郡に所有するゴルフ場をTHAADの配備場所として提供すると正式に決定した。これを受け、中国外交部の耿爽(グン・シュアン)報道官は27日の会見で報復措置も辞さない姿勢を示した。

中国の民間でも用地提供を決定したロッテに対する不満が聞かれ、2月26日には20人余りが吉林省延辺朝鮮族自治州敦化市のロッテマート前に集まり、「韓国ロッテが中国に宣戦、THAAD支持するロッテは今すぐ中国から出て行け」と書かれた横断幕を掲げ抗議活動を行った。さらに、28日にソウルを訪問した中国のシンクタンク機構「チャハル(察哈爾)学会」の代表団が宿泊予定だったロッテ系列のホテルを変更したとの報道が見られた。

ボイコット運動はネット上でも呼びかけられており、化粧品に特化した中国の通販サイト・聚美優品の陳欧(チェン・オウ)CEOはSNSで「今後ロッテの商品は扱わない」と2月28日に書き込み、翌1日には中国の食品メーカー・衛龍食品が公式SNSアカウントで、ロッテマートでの同社商品販売を取りやめると発表した。

こうした民間のボイコット運動について中国版ツイッター最大手・新浪微博の社区委員会(新浪のサイト管理をサポートする組織)の専門家委員で、新浪微博でフォロワー17万人を誇る余迪(ユー・ディー)氏は2日、「韓国のTHAAD配備は中国人の感情を著しく傷つけた。ロッテはTHAAD配備に関与するのなら自身の行為の責任を取る必要がある。すべての交流や協力は民意が基盤となっている。世界の安寧と平和は皆が共に努力する必要がある。尊重されないのなら、こちらも相手にする必要はない」とロッテの決定を批判した。

一方、少数派意見ながらロッテボイコット運動に否定的な声も聞かれている。欧中経済技術交流促進会の楊佩昌(ヤン・ペイチャン)会長は1日、吉林省で起きたロッテのボイコット運動に対して「北朝鮮の核実験により小学校が緊急避難(※2016年9月9日午前、北朝鮮で核実験が原因と思われるマグニチュード5.3程度の揺れが観測され、揺れを感じた中朝国境に位置する吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市の小学校では児童らを校庭に緊急避難させた)したのに北朝鮮には文句は言わず、北朝鮮の脅威から自国を守るためにTHAADを配備する韓国には抗議する。頭おかしいのか?」と抗議する相手を間違っていると指摘した。

中国当局は韓国のTHAAD配備に一貫して強硬姿勢を見せており、民間でも韓国に否定的な声が多い。ロッテの用地提供決定を受けて中国側の反発は強まっており、今後の展開に注目が集まる。(編集/内山)