近年、ECサイトやネットショップの普及により、これまでスーパーなどで購入していた日用品や消耗品、食品などさまざまな商品が自宅にいながら手に入るようになりました。IoTの勢いは物流業界にも到来し2016年末、Amazonからボタンを押すだけで商品が届く「Amazon Dash Button」が発売されたのも記憶に新しいところ。

その一方で、物流業界に深く根ざしているのが人材不足の問題です。ユーザーには便利になっている反面、届け手不足は深刻さを増し、宅配最大手のヤマト運輸は荷物の扱い量の抑制を検討することを発表しました。

そんななか、ドローンやマッチングアプリなどの新サービスが続々と誕生しています。今回は物流の未来を変えるかもしれない最新技術に注目してみました。

ドローンが必要なものをお届け! 次世代型買い物代行サービス

近年、物流への導入が期待されている技術のひとつといえば“ドローン”。現在、ケータイキャリア大手のNTTドコモでは、「ドコモ・ドローンプロジェクト」と題し、ドローンを使ったさまざまな実証実験がおこなわれています。なかでも、携帯回線を活用した無人機「セルラードローン」を用いた買い物代行サービスは、今後実用化も期待できるサービスです。

「このサービスは、場所や時間を気にせずに、日用品を入手したい離島や山間部に住む人々を対象に、電話で依頼を受けた商品をセルラードローンによって自宅に配達するというもの。2016年の11月〜12月にかけて、福岡市西区にある能古島と九州本島間の約2.5kmの区間を中心に実証実験をおこないました。日本初のセルラードローンを活用した、買い物代行サービスの実証実験です」(ドコモ広報)

無人機による宅配ということもあり、当然ながら配達員不足の対策になるうえ、能古島に住む実証実験参加者からは実用化を望む声が届いているとのこと。

「昼間は船が1時間おきにしか出ないので、すぐ買い物を済ませても往復で3時間ほどかかるが、ドローン宅配ならば注文から1時間以内に荷物が届くので、本当に便利」
「島には商店が1店舗しかなく、欲しいものが置いていない場合もあり、必要なときに必要なものをすぐに届けてくれるドローン宅配が実現したら、ぜひ利用したい」
「夜間に子供の具合が悪くなったとき、島には夜間診察をしてくれる診療所がないため、非常に不安になる。そんなとき、ドローンがお薬を夜間に届けてくれるようになれば、島での生活がもっと安心したものになるはず」

などなど、ドローン宅配サービスによって、買い物にかかる時間や過疎地域の医療問題など、離島に住む人々が抱えるお悩みが解消される可能性も。

また、同プロジェクトでは同サービス以外にもさまざまな実証実験をおこなっているそうです。

「仙台市とICTを活用したまちづくりに関する連携協定を締結し、災害発生時の被災状況の確認や生活インフラの点検などを想定し、ドローンを活用した映像ソリューションの導入を検討中です。さらに、2016年9月6日に一部地域において実用化試験局免許を取得したことにより、上空のドローン周辺の通信品質や地上携帯電話ネットワークへの影響を検証中。ドローンが問題なく運行できる環境づくりを目指しています」(同)

今後も、ドローンを活用して社会的課題解決の観点から防災や減災、農業、物流などの分野における多様なソリューションの提供を目指しているという、このドローンプロジェクト。物流業界の課題はもちろん、幅広い分野への進出が期待できますね!

憧れのあのレストランの料理が届く!「UberEATS」

世界73カ国450都市以上で活用されている配車アプリを展開する Uber社 も、デリバリーサービスに力を入れているそう。同社が提供している「UberEATS」は、料理を食べたいユーザーと料理を提供するレストランパートナー、料理を届ける配達パートナーの三者をマッチングします。

同アプリは2017年2月現在、全世界20カ国、50都市以上で利用されている、世界共通のアプリです。移動したい人と移動を提供できる人の需要と供給をリアルタイムでマッチングするという、Uber社の配車サービスで培ったテクノロジーを、デリバリーにも活かしたのがUberEATSの特徴とのこと。

「UberEATSで注文をすると、レストランの料理が短時間で指定箇所まで届きます。2016年9月のサービス開始からサービスエリアは拡大を続け、現在では渋谷区、港区、新宿区、世田谷区、千代田区などで利用することができ、150店舗以上のレストラン パートナーにご登録いただいています。

レストラン側は、大きな初期投資をせずにデリバリー事業がはじめられるうえ、配達パートナーは空いた時間を利用して報酬を得ることができるシステムになっています。ユーザーの方は、多様なお店から好きなメニューを少量からでもオーダーすることができるため、オフィスでのランチやホームパーティーなどにも利用いただいています」(UberEATS広報)

レストランパートナーのなかには、今までフードデリバリー事業をおこなっていなかった西麻布の「ダルマット」などの人気店も登録していたり、お菓子やサラダ、ステーキなどさまざまな食事が楽しめたりするなど、メニューも豊富。また、スマホで数回タップするだけで、クレジット決済まで可能な簡単さも、ユーザーに好評なのです。

「“食”へのこだわりが強い日本のなかでも、食の都と呼ばれている東京で、ぜひこのサービスを使って、食を楽しんでほしいと思っています。今後は、より多くの方にこのサービスを使っていただけるよう、利用エリアやレストランパートナーの拡大を図っていく予定です」(同)

同サービスは、レストランパートナー、配達パートナー、ユーザー、それぞれに大きなメリットが感じられる、物流の新しい形といえそうです。

そのほかにも、2017年3月からDeNAとヤマト運輸が、自動運転を活用した次世代物流サービス「ロボネコヤマト」を地域限定で実用実験をスタートさせる予定とのこと。どんどん便利になっていくネット通販サービスの裏側で、急速に進む人材不足などの諸問題への対策が急がれる物流業界。これから導入される最新技術によって、新しい風が吹く日も近い?

UberEATS
https://www.ubereats.com/tokyo/
NTTdocomo
https://www.nttdocomo.co.jp/
MIKAWAYA21
http://mikawaya21.com/

筆者:Kayo Majima (Seidansha)