Jリーグ村井満チェアマンも開幕節の配信不具合について謝罪…ファン・サポーターの声には「サイレントマジョリティが圧倒的に多い」

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▽Jリーグの村井満チェアマンが、2月25日、26日のJリーグ開幕節で起きたDAZN(ダ・ゾーン)の配信不具合について謝罪した。

▽DAZNは今シーズンからJリーグの放映権を獲得し、J1、J2、J3全試合の中継のライブ配信する。新たな幕開けを迎えた中、25日と26日行われた一部の試合で視聴が不可能となり、26日のガンバ大阪vsヴァンフォーレ甲府、愛媛FCvsツエーゲン金沢の2試合は視聴できない状態となっていた。

▽2日、DAZNが開幕節で起こった不具合についてDAZNが説明会を実施。会見の冒頭で村井チェアマンが謝罪し、今後DAZNとの協力体制を築いてトラブル再発に務めると語った。

「すでにご承知の通り、先週末Jリーグの開幕節におきまして、中継の不具合がございました。多くの開幕を楽しみにしていたファン・サポーターのみなさま、関係者のみなさまに大変悲しい思いをさせてしまいました。大変申し訳ございませんでした」

「本来スポーツは結果を見てしまってから配信を見るよりは、ライブで観たいというニーズがあることで、今回のライブストリーミングサービスを導入しましたが、そういった観点から見ても残念な結果となってしまいました。本当に申し訳なく思っています」

「JリーグとDAZNは1つのチームとして連携してまいりました。それぞれの役割に関しては、スタジアムでの中継の制作、DAZNへの制作データを渡すまでがJリーグの1つの役割となります。それから配信用のデータに変換したり、視聴者の方に向けた様々なデバイスでの配信をDAZNの役割でございます」

「スタジアムでの制作、データをお渡しするところまでは問題なく対応ができましたが、配信の所でトラブルが起こりました。ですので、多少テクニカルな話になることもあり、DAZNの方にそもそもの原因と今後の対応についてご説明していただきます」

「Jリーグ、DAZNは第2節以降、万全を期して臨むつもりでございます。色々なトラブルが起きた場合でも、協力して対応していくつもりでございます」

▽また、会見終了後に村井チェアマンは囲み取材に応じ、記者の質問に回答。改めて謝罪し、ファン・サポーターの声に耳を傾けるとともに、DAZNでのJリーグ配信に自信を覗かせた。

──DAZN元年の開幕戦で起こったことについてはどのように考えているか

「スポーツはライブで観るのが一番感動的だということに基づいて、いつでも、どこでも、何度でも観れるというのが、私たちが考えたサービスでした。これが躓いてしまった。しかも、一番最初に躓いてしまったということで、多くの方が期待されていたと思います。Jリーグだから、DAZNだからということではなく、統括するJリーグとしては大変申し訳なく思っています」

「細かいテクニカルなところを理解することに時間がかかったために、すぐ皆様に適切な情報を開示できなかったことは申し訳なく思っていますが、日曜から中3日の間はJリーグとDAZNの間で情報をシェアしてきたつもりです。その辺りのコミュニケーションを、今後もっと早く適時に開示できるように努めていかなければと、今回改めて思いました」

──スタジアムに来れない人へのサービスとして大事なパートナーになると思います。信頼という点では

「今回の問題が発生した直後に、日本社会においては隠すことなくしっかり伝えようということを、トップダウンで伝えました。例えそれが技術的なテクニカルな問題でも、逃げずにしっかり説明しよう。彼(ジェームズ・ラシュトンCEO)はそこを一番最初に重要なことだと理解してくれました。そういった意味では信頼できるパートナーだったと、事象が起きても感じています」

「日本とロンドンという距離的に離れているところではありますが、時差をおしてほぼ不眠不休でロンドンサイドのエンジニアとコミュニケーションをとって頂いていました。その姿勢を見ても、中途半端ではなく、本気でJリーグを良くしていこうとしてくれるパートナーだと再認識した次第です」

「結果論ですが、トラブルでスタートしましたが、次に向けて様々なコミュニケーションをしていこうと改めてパートナーとして結束しているところです」

──テレビではなく配信という形についてはどう考えているか

「部屋の外に出てとか、いつでもどこでもという事になりますと、ストリーミングサービス、ネットサービスのあり方が重要なツールになります。今後のライブスポーツの楽しみ方の新しい1つの形態として、大切に育てていきたいと思います」

「一方でJリーグは有料放送カテゴリをDAZNにしましたが、無料の地上波放送は今までどおり続けていきます。リーグ戦はDAZNですが、ルヴァンカップはスカパー!とフジテレビで協力していきますので、様々なチャネルでお楽しみ頂けると思います。非常に有力な将来性のあるストリーミングサービスであるということでは、大事に育てていきたいです」

──今後のトラブルや画質の問題などが解決しない場合は、大型契約自体が実行されるのかどうか

「画質の問題は今日も色々と質問がありました。我々Jリーグ、DAZNで対応する所、社会的インフラを整えていかなくてはいけない所、様々な要素の組み合わせだろうと考えています。インターネットを介した動画を視聴する習慣は今後深まっていくと考えていますので、画質の改善については今後もお互い全力をあげていこうということです」

「10年という長期にわたる契約ですが、我々としてはジェームズと固く将来に向けて投資をして、もっともっとレベルを上げていこうと、日夜議論しています。そこに関しては問題があるわけではないと認識しております」

「加入者に関しては、詳細な数値については我々が知るところではありません。実際に何名入ったのかということについてはわからないです。この1週間はテレビCMや我々がオウンドメディアでPRを重ねてきている中では、彼らは非常に手応えを感じてくれました。仮説の通り、サッカーを観る方は多くのスポーツを楽しんでいるというログをお持ちのようです。単純な加入数だけでなく、様々なスポーツを楽しんでいらっしゃる方が多い。日本市場における仮説通りだったというフィードバックを頂いています」

「今回の事で相当多くの方ががっかりされたり、続けない方もいらっしゃると思いますが、今週末にかけてどこまでリカバリーできるか。不測の事態がある可能性もありますが、その際にファン・サポーターに向かっていけるか、この辺りが最終的には加入される方への信頼を築くところだと思います。出来るところでしっかりと対処していきたいと思います」

──ユーザーの伸び悩みや、契約金がしっかり入ってくると信頼されているということか

「もちろん、長期間にわたって赤字を抱えながらJリーグを育て、顧客を増やし、リターンを受け取るという投資モデルです。この間に起きる短期的な事象において、短期的に変質するものではないと思っています」

──不測の事態はこの後も起きるとは思うが、対応策はなにか考えているのか

「想定しうるバックアップはDAZNもやっていて、日本のスタジアムから届くところも2系統あります。図にはありませんでしたが、ロンドンまでの間に香港経由とアメリカ経由で2回線バックアップしていたりします。対外的な物理的なクラッシュに備えて、同じデータをミラーリングしていました。しかし、データの破損だったのでミラーリングも効きませんでした。物理的な天変地異や様々な攻撃には備えていました。今回はさらにその外側に設けることがありましたし、個別のパッケージを細分化して増やしていく様なことを想定されています。想定したらキリはありませんが、そのあたりにスピーディに対応しているので安心しています」

「今回はJリーグではスタジアムで何もないと言いましたが、熊本の震災の様に物理的に何かが起こり、スタジアムとDAZNのところで何かが起きるかもしれません。他山の石として、日本側も備える必要はあります。なによりも、事象が起きた時に言い訳したり隠したりせず、改修していくことを大切にしていきたいです」

──お叱りの言葉を多く頂いていると思うが、それを受けて

「実際にアクションを起こされている方も多くいらっしゃいますが、サイレントマジョリティ(静かな多数派)というか、「なんだよ」という声の方が圧倒的に多いと思います。そういった意味では、本当に申し訳ないことをしたと思っています。私のところにも直接多くの方からお叱りを頂きました。リーグが持っている声を寄せていただくところにも、多くの厳しい言葉を頂きました」

「私も目を通していますが、メディアの皆さんにしっかりと説明する、週末の試合に向けて万全を期していくということが、我々が今できる唯一の事だと思います」

──現在のJリーグとDAZNの分業の形は今後も継続していくのか。また技術面などにJリーグから要望は出すのか

「オウンドメディアで緊急避難的に動画配信をサポートしたことがあって、我々が補助的にサポートすることは有ると思います。あくまでもJリーグだけではなく、色々な日本国内でもバレーボールやラグビー、野球もあります。Jリーグだけではないので、Jリーグが自己的に都合が良いようにではなく、日本にある多くのスポーツがロンドンにあるクラウドに入ります。世界中のスポーツも入ります。今のDAZNの配信の仕組みは凄く価値があることだと思いますので、何か課題があった際には連携してコミュニケーションをとってバックアップ体制を整えてくことが、我々が打てる手だと思います」