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DAZN(ダ・ゾーン)は2日、明治安田生命Jリーグの配信で視聴不具合が発生した件について謝罪するとともに、これまでの経緯、および不具合の原因について報道陣に説明した。DAZNでは、2月26日に行われた試合の一部が視聴できない等のトラブルが発生していた。

○不具合の内容

不具合が発生したのは26日16時47分。J1リーグ「ガンバ大阪 VS ヴァンフォーレ甲府戦」、J2リーグ「愛媛FC VS ツエーゲン金沢戦」の2試合のライブ配信、およびJ2リーグ全試合の見逃し配信が視聴できない状態になった。

冒頭、Jリーグ チェアマンの村井満氏が登壇し「Jリーグの開幕を楽しみにしていた多くのファンの皆さまに悲しい思いをさせてしまった。大変申し訳ない。JリーグとDAZNはひとつのチーム。スタジアムにおける中継映像の制作からデータを受け渡すまでがJリーグの仕事、配信用に最適化するのがDAZNの役割になっている。データを渡すところまでは問題なかったが、配信のところで不具合が生じた。Jリーグ、DAZNとしては第2節以降、万全を期して臨んでいく」と挨拶した。

○不具合の原因は、映像の切り出しツール

続いてDAZN CEOのジェームズ・ラシュトン氏、DAZN 開発部長のウォーレン・レー氏が2人でそろって起立。「プラットフォームを提供している立場として、先週末に起こしてしまった不具合の責任は重く、決して許されるものではないと思っている」と述べると、報道のカメラに向かって深々と頭を下げ、謝罪の気持ちを示した。

不具合の原因は「オートスタート・ストップツール」と呼ばれるソフトにあった。同ソフトは、試合開始から試合終了までの切り出し、またハーフタイムのトリミング等を自動で行うもの。映像をいち早く視聴者に届けるため、26日に行われた7試合のデータを一斉にオートスタート・ストップツールで切り出そうとしたところ、エラーが生じてしまったという。

レー氏は「日本のほか、オーストリア、ドイツ、スイスでサービスを運営している。グローバルでは、このようなインシデントは起こっていない。今回は独特な事象だった。同じ日に7つの試合が行われ、1つのデータセンターに映像が送られた。そこで不具合が生じた」と説明する。しかし「7試合」という容量には問題はなかったという。ジェームズ氏、リー氏は口をそろえて「同時に中継したことが問題ではなく、システムのキャパシティを超えたわけでもない」と繰り返した。

ジェームズ氏は「海外では1日に15〜16試合が行われることもある。そうしたケースでも、きちんと映像を配信できている。今回は7つの試合の処理(トリミング)を、同時に1つのパッケージで行ってしまった。たとえば複数のパッケージで処理していれば、問題は起こらなかった。10分〜15分という短時間にエラーが急激に発生したため、対応できなかった」と説明。

質疑応答では、記者から「海外で起こらなかったことが、なぜ日本では起きたのか」といった質問が相次いだ。ジェームズ氏は「ファンの方々にハイライト映像などを早くお届けしたいという想いから処理を同時に行ってしまった。試合が終わってすぐに自動でトリミングして、ファンの方になるべく早く配信したかった。そこで自動処理のプロセスに入った。他の国では、もっと余裕をもって処理を行う。今回はユーザーの方々に、こうしたサービスのメリットを感じていただきたかったため、すぐに行ってしまった。自動ではなく、マニュアルで処理していれば起こらなかった問題。今回の件で多くの教訓を学んだ。二度と不具合が起こらないよう、万全の対策を取っていきたい」と説明した。

○今後の対策 - 第3のルートを確保

今後の対策についても詳しい説明が行われた。これまで本番系・予備系と、システムの構成には2系統が用意されていたが、きちんと機能しなかった。これを受け、プラットフォームには新たに第3のルートを確保した。アップデート環境も検証し、バックアッププランも見直す。

ジェームズ氏は「根本的な問題は解決している。再発防止のため、容量の増設などシステムの強化も図っていく」と強調。万全を期すため、今週の金曜日には12のスタジアムに置いた中継設備からテストを実施する。

なお、ユーザーから要望の多い配信映像の画質向上について聞かれると、ジェームズ氏は「端末や回線の問題もある」としつつも、「弊社に問題があることもきちんと認識している。画質は大切な要素。最善を期すために全力を尽くしていきたい」とした。

○無料期間を提供

ファン・サポーターには、お詫びとして2週間の無料期間を提供する。無料体験期間中のユーザーには2週間の無料期間を追加、すでに月額料金を支払っているユーザーは、利用期間を無料で2週間延長する。NTTドコモで提供している月額980円(税別)の「DAZN for docomo」では、ユーザーにdポイント500ポイントを進呈する。

(近藤謙太郎)