愛する人々との別れを乗り越え、次郎法師が“おんな城主”として立ち上がる!

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好評放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」。3月の放送では心穏やかに暮らす次郎法師(柴咲コウ)の運命が激変し、ついに“おんな城主”に! 番組スタッフの証言をもとに、その軌跡を追う!

【写真を見る】 次郎(柴咲コウ)を後ろから抱きしめる直親(三浦春馬)。直親は井伊谷に帰還するも、次郎との結婚は破談に

■ 戦国を生きる一人の女性が歴史の表舞台に

10年の時を経て井伊谷に帰還した亀之丞は、元服して直親(三浦春馬)に。次郎法師(柴咲コウ)は次期当主の直親から結婚を望まれるが、井伊家の行く末を案じて申し出を断り、僧として直親を支えることを決意。一方、ひそかに次郎法師を慕う政次(高橋一生)は、直親に屈折した思いを抱く…。一見、切ない恋物語のようだが、3月からの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の様相は激変! 

今回、岡本幸江チーフプロデューサー、時代考証を担当する小和田哲男氏を直撃。岡本氏は「男子が次々と命を落とす中、残された娘が“直虎”というりりしい名前で打って出ます。悲壮な覚悟もあるけれど、ある種のけれんみを感じさせる彼女の人生をたどると、生き生きとした物語が紡げるのではと思います。そして、小さな領主の大国のはざまで生き抜く術は、今の日本が抱えるテーマと似ているのではないかと。直虎がどう戦おうとしたか、今を生きるヒントが見つかればと思います」と語る。女性・次郎法師が直虎として多くの希望を背負い、歴史の表舞台に立つまでの軌跡を詳解する!

■ 次郎法師から直虎へ。名に込められた真意とは?

女性ながら男性の名を名乗り、城主として戦国の世を生き抜いた直虎。そもそもなぜ“次郎法師”と男性らしい名前を用いたのか。小和田氏は「彼女が出家する際、次郎法師という名を付けたのは南渓和尚だということが史料に残っています。男か女か、出家しているのかしていないのか分からないような名を付けたことは、井伊家に男がいなくなった場合、一人娘が家を継ぐこともあると考えていたからだと推測されます」と語る。

この場面は第4話でも描かれており、岡本氏も「ドラマでは、幼いおとわは、読み書きなど基礎的な教育は受けていたものの南渓和尚(小林薫)は出家後の次郎法師を手元に置いて一から僧としての修行をさせます。女性ながらに城主として自ら立ち上がる人物であれば、多くの経験や知識を持っていたのではないでしょうか」と語る。以降、物語では次郎法師にとって南渓和尚が大きな存在となっていく。

そして、その経験や知識が否応なしに物言う怒濤の展開が訪れる。第9話(3月5日(日)放送)では、今川義元(春風亭昇太)の命を受け、井伊家当主・直盛(杉本哲太)らが尾張へと出兵するが今川軍は大敗。直親が新たな当主となるも、第11話(3月19日(日)放送)では、今川の魔の手が迫る。

そしてついに、第12話(3月26日(日)放送)では、当主や家臣を失った井伊家で、次郎法師が“直虎”と名乗り、当主として立ち上がるのだ。岡本氏は「今後、おんな城主となった次郎法師こと直虎が自ら汗を流し奮闘する姿を描きます。そこに僧としての修行経験が生きてきます。どんなに踏みつけられても頭をもたげる雑草のように力強い彼女を見て、明るい気持ちになってもらえたら」と語る。井伊家のために、けなげに戦う女性の姿は必見だ。

■ 【命運その一】夫婦を超え、影ながら支える道を選ぶ

井伊谷への帰りを待ち続けた亀之丞(後の直親)が帰還。2月5日放送の第5話では、おとわの心中は亀之丞を思う煩悩であふれかえる場面が。「次郎の根底にあったのは、成熟した男女の恋愛というよりは、直親と夫婦になり、彼を支え、井伊家を守るという、自分に課したミッションだと思うんです。幼いころに決められた“運命の人”への変わらぬ思いは、これからも要所で描かれます。直親の最期のときまで、心に定めた運命の人への大きな愛というのは変わらないです」(岡本氏)。そしてこの後、次郎法師は直親を当主として今川に認めてもらうため、自身の還俗と直親との結婚をあきらめてしまう。

■ 【命運その二】慈悲深き心で愛する人の妻を救う

井伊家の重臣・奥山朝利(でんでん)の娘のしの(貫地谷しほり)と夫婦になった直親。第8話(2月26日放送)では、懐妊の兆しがないことを気に病むしののため、次郎法師は子を授かるための妙薬を用意する。しかし、それがしのの怒りを爆発させる。「(史実では)2人は同じ井伊家の一族なので対立関係にはないけれど、しのからすると、夫がかつて愛した人がそばにいるのは面白くないでしょう」(小和田氏)、「次郎法師としのは互いに相手をうらやましく思い、激しくぶつかります。でも、しのの本心を一番分かっているのは次郎法師。直親にしのの気持ちを代弁するシーンも出てきます」(岡本氏)。

■ 【命運その三】戦国を生きる友の危機を救うために奔走

次郎法師は、松平元康(阿部サダヲ)に嫁いだ瀬名(菜々緒)と、幼いころから友情を育んでいた。第10話(3月12日(日)放送)では、今川の人質だった元康が、桶狭間の戦いで義元が討死したことを知り、独立しようと出奔してしまう。今川の手中にある瀬名を助けるため、次郎法師が命乞いに向かう。「次郎法師と瀬名は、互いに唯一の友として助け合う時期があった。しかし、それぞれが自分の家を守るため、相手を犠牲にしなければならなくなる。戦国という世を生きた女性たちの切なさや、時代の非情さが表れると思います」(岡本氏)

■ 【命運その四】直親の“竜宮小僧に”が永遠の誓いに

瀬名を救ったことで、井伊家に危機が。第11話(3月19日(日)放送)では、直親は元康と内通しているとして、今川氏真(尾上松也)から呼び出される。第12話(3月26日(日)放送)では、駿府に向かう道中、今川側に襲われた直親の代わりに、子・虎松(寺田心)が元服するまで間、次郎法師が当主として立つことを宣言。「次郎法師は10歳のころに“直親を支え、直親の竜宮小僧になる”と誓いました。直親との結婚をあきらめたときも、その後の僧としての生き方も、その誓いが心の中にあったんです。今回もその誓いを、私のミッションはこれだったのだと思い返し、絶望のどん底からはい上がっていきます」(岡本氏)