Amazon製作の「マンチェスター・バイ・ザ・シー」 (C)2016 K Films Manchester LLC.
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 作品賞の発表ミスや相次ぐトランプ政権批判などさまざまな見どころがあった第89回アカデミー賞で、米ストリーミング大手のAmazonとNetflixがそれぞれ初受賞の快挙を成し遂げた。

 Amazonは、配給を手がけた「マンチェスター・バイ・ザ・シー」が脚本賞と主演男優賞(ケイシー・アフレック)、イラン映画「セールスマン」が外国語映画賞に輝き、3冠を達成。Netflixも、自社が配信する「ホワイト・ヘルメット シリア民間防衛隊」が短編ドキュメンタリー賞を受賞した。

 両社ともストリーミング会社ではあるが、オリジナル作品の展開手法の違いが受賞数の違いに出ていると、米Business Insiderは分析。Amazonは、オリジナル映画をまず劇場で公開し、一定期間をあけてから配信するというDVDと同じ従来のスタイルを踏襲している。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の場合は、全米興行だけですでに4000万ドルを突破しており、低予算映画として商業的に成功している。

 対するNetflixは、劇場公開と同時にストリーミング配信を行う展開方法で知られる。たとえば、オリジナル映画「ビースト・オブ・ノー・ネーション」(キャリー・ジョージ・フクナガ監督)は、劇場公開と同時にストリーミング配信を行ったものの、興行では惨敗。また、批評家の評価は高かったが、昨年のアカデミー賞ではまったくノミネートされなかった。その理由は、アカデミー会員の多くが、劇場公開を重視しているからではないかとBusiness Insiderは推測。Netflixは、アカデミー賞狙いのオリジナル映画のリリース方法について変更を検討する必要がありそうだ。

 その一方で、Netflixはドキュメンタリー部門で高い評価を受けている。オスカーを獲得した短編「ホワイト・ヘルメット シリア民間防衛隊」だけでなく、長編ドキュメンタリー賞部門には「13th 憲法修正第13条」がノミネートされた。これは、ハリウッドの劇映画とは異なり、ドキュメンタリー映画はフレキシブルな展開が許されているためだとみられている。