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キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は3月1日、メールフィルタリングソフト「GURDIANWALL」(ガーディアンウォール)を総合情報漏えい対策ソリューションの統一ブランドとして刷新した。第1弾としてメールフィルタリングソフト「GUARDIANWALL Mail ファミリー」を同27日から提供開始する。

今回、GUARDIANWALLをWebやクラウドなども含む、総合的な情報漏えい対策を提供するソリューションの統一ブランド「GUARDIANWALLシリーズ」に刷新し、クラウド化やサービス化などの環境変化や新アーキテクチャへの対応、他社との共同技術開発など、柔軟なソリューションの提供を可能とした。

その第1弾となるGUARDIANWALL Mail ファミリーは、一般企業向け「GUARDIANWALL」と、クラウド事業者向け「GUARDIANWALL CloudEdition」を統合したもの。同ファミリーは、「GUARDIANWALL MailFilter」「GUARDIANWALL MailConvert」「GUARDIANWALL MailArchive」に加え、3製品をパッケージ化した「GUARDIANWALL MailSuite」で構成している。

新製品の説明を行ったキヤノンITS 基盤・セキュリティソリューション企画センター 技術開発部 部長の神野成司氏は「IPAの調査によると、組織において2016年に発生した社会的に影響が大きかった情報セキュリティとして、標的型攻撃による情報流出とランサムウェアによる被害、内部不正による情報漏えいとそれに伴う業務停止が挙げられる。これらに対し、外部から社内へのメールに添付された悪意あるファイル受信を止めること、社内から外部へのメールによる顧客情報の持ち出しを防ぐこと、メールの誤送信が原因の情報漏えいを防ぐことが求められる」と指摘した。

そのような状況を踏まえ、同氏は新製品について「Mail Filterは、標的型攻撃の疑いのあるメールを検知した上で隔離/削除するほか、顧客情報が含まれるメールを検出し止めることが可能だ」と強調した。

また「MailCovertは外部へのメールについて添付ファイルを暗号化して送信するほか、MailArchiveについては、保存したメールの検索・閲覧や全文検索により、インシデントの事後調査ができる」と胸を張る。

これら各製品の機能により、外部から社内へのメールに添付される悪意あるファイルの受信停止、社内から外部へのメールによる顧客情報の持ち出し、メールの誤送信による情報漏えいの防止を可能としている。

そのほかの特徴として、1つのシステムで複数企業のメールセキュリティ対策が図れるマルチテナント対応や、検査・検索では各国の言語に対応し、管理画面インタフェースは日本語・英語表示するという。

価格は、いずれも税別でGUARDIANWALL MailFilterが40万5000円(100ユーザー)、GUARDIANWALL MailConvertが20万4000円(同)、GUARDIANWALL MailArchiveが47万7000円(同)、GUARDIANWALL MailSuiteが77万4000円(同)。

○2020年には新ブランドで売上高100億円を計画

GUARDIANWALLシリーズの事業戦略と新製品導入の狙いについて、キヤノンITS 基盤・セキュリティソリューション企画センター センター長の崎山秀文氏は「時代とともに進化する総合情報漏えい対策ソリューションを目指すため、『独創+共創』がGUARDIANWALLシリーズのテーマだ。独創は、これまでユーザー別に製品(プログラム)で提供し、ユーザーに応じて最適なものを提供していた。しかし、今後は開発スピードの向上や製品/サービスごとの提供機能を統合することで、規模感・環境問わず幅広く適用できるアプリケーションを目指す。共創については、信頼、技術、スピードを備えた企業と戦略的なパートナーシップを進める。キヤノンの販売網を活用することで、ユーザーのニーズを洗い出し、パートナーの製品と機能連携しつつサポートまでを一元管理する。現状ではゲートウェイのみだが、今後はネットワークやエンドポイントなどにも裾野を広げていく。製品、サービス、サポートを含め、2020年には100億円の売上高を目指す」と意気込みを述べた。

○企業がセキュリティで抱える課題への対応策とは

キヤノンITS 取締役常務執行役員 基盤・セキュリティソリューション事業本部 事業本部長の楢林知樹氏は、同社における基盤セキュリティの事業戦略に関して説明した。

同氏は「セキュリティサービス・製品市場は、2015年度の3866億円から2020度には4871億円への拡大することが想定されており、Webセキュリティ、コンテンツセキュリティ、制御セキュリティなどの成長が見込める。これは、増加し続ける脅威に対する需要であり、昨年1年間における日本へのサイバー攻撃は過去最高の1281億件に達したほか、ESET製品による2016年下半期の国内マルウェア検出数は2015年下期比3.8倍に増加している。要因としては、メール攻撃の急増やスクリプトの難読化、サンドボックスで見抜けない高度なマルウェア、IoT機器が踏み台になっていることなどが挙げられる」と国内のセキュリティ環境について分析。

このような状況を鑑み「日本の企業は、人材・スキル・ノウハウの不足に加え、高度化するインフラのセキュリティ要件への対応や、見えない費用対効果・不安といった課題を抱えており、セキュリティを担保することが難しい状況になっている」と指摘した。

これに対し、同社では2015〜2016年にかけて組織の変革に取り組み、顧客ニーズを把握した上で、さまざまな製品をインテグレーションし、顧客に提案・提供していたメンバーで構成する「基盤ビジネス」と、セキュリティ製品の研究開発やESETなどで得たノウハウを有するメンバーで編成した「セキュリティビジネス」の2つの組織を融合させた。

この点について、楢林氏は「従来、各ソリューション・機器を単品で提案していたが、顧客の課題解決には至らないため、課題を聞き、それを製品に反映させて最適なセキュリティを顧客に提供していく。また、セキュリティを担保する活動を目的にITセキュリティポータルサイトを開設している」と説明した。

なお、GUARDIANWALLシリーズは2017年初夏の予定で外部送信データのコンテンツフィルタリングによる情報漏えい対策を可能とする「GUARDIANWALL WebFilter」のリリースを予定している。

(岩井 健太)