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●訪問看護は保険の対象
将来、両親が付き添いを必要とするようになったら…。自身の仕事と家庭があるうえに、親の身の回りの世話やサポートをするとなれば、「正直難しいのでは」と不安になりますね。実際に「そのとき」がきても困らないために、今のうちから利用できる在宅サービスの「訪問看護」と「訪問介護」について把握しておきましょう。

状況に応じて公的医療保険または公的介護保険が適用になるので費用面でも助かりますが、それぞれの違いもきちんと確認しておかなければなりません。

○訪問看護と訪問介護の違いを理解する

訪問看護とは病気やケガ、障害などで継続して療養を受ける必要がある人が、看護師などのケアスタッフに自宅に訪問してもらい、療養生活の世話や療養の補助をしてもらうサービスです。似たような言葉に訪問介護がありますが、こちらはホームヘルパーと呼ばれる訪問介護員が利用者の自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの身体介護、買い物・家事などの生活援助をしてくれるというものです。

訪問介護も訪問看護も、在宅で世話をしてもらう「ホームケア」という点では同じですが、医療行為の可否の点で異なります。訪問介護でする身体ケアは食事介助や入浴の手伝いなどで、医療行為はできません。それに対し、訪問看護は医師の診療の補助および療養生活の世話のため、点滴や注射などの医療行為をすることができます。

在宅でも医療行為を行う訪問看護は(国民)健康保険など公的医療保険の対象になります。自ら通院するのと違い、看護師らに自宅に来てもらうのは多くの場合、高齢者や歩行などにも介助を必要としている場合がイメージされますね。そのため、訪問看護を必要とする人のなかには公的介護保険の対象になる人が多いことも想像できます。

しかし、公的医療保険と公的介護保険は同時に利用できず、利用条件によってどちらが適用になるかが決まります。また、適用される保険によって自己負担額が変わります。

●ポイントは要介護・要支援の認定
年齢が40歳未満なら、そもそも公的介護保険には加入していないため、公的医療保険の対象です。一方、40歳以上の人は介護保険に加入してはいますが、要介護・要支援の認定を受けているかどうかが、保険対象になるポイント。認定を受けていない人は公的医療保険を利用することになります。

40歳以上65歳未満の人が要介護・要支援の認定を受けるためには、16特定疾患と呼ばれる「心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病」として厚生労働省の認定を受ける必要があります。なお、訪問看護を利用するには「病気や障害で自宅療養が必要である」とする訪問看護指示書の交付が医師からされていることが前提です。

40歳以上で要介護・要支援の認定を受けている……公的介護保険の対象

40歳未満および40歳以上でも要介護・要支援認定を受けていない……公的医療保険の対象

○医療保険の方が負担額が高くなる見込み

気になる自己負担額ですが、公的介護保険では原則として利用額の1割。一方の公的医療保険では年齢および所得により1〜3割のため、介護保険を利用するよりも高くなる場合があるのです。さらに知っておきたいのが、それぞれの利用限度。公的介護保険には、要介護のレベルごとに1カ月に利用できるサービスの利用限度額が決められています。

例えば、最も要介護度が軽い「要支援1」の場合は支給限度額が5万30円、同じように最も重い「要介護5」では36万650円(2017年2月時点の標準地域のケースで、介護報酬の1単位を10円とした場合の計算)となります。この金額を超えて利用した分は全額自己負担です。一方の公的医療保険は、毎月の利用金額に限度はないものの、サービスの利用は週3回までという制限があります。

公的医療保険と公的介護保険の違いがお分かりいただけたでしょうか。どちらを利用するかは訪問看護を必要とする状況によって決まるため、自分で選択できるものではありません。でも、それぞれに自己負担リスクがあることを考えると、自分自身で民間保険や貯金での備えもしておきたいですね。

※写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。

(FPwoman)