<ISISのイラク最大の拠点モスルの奪回にイラク軍が成功すれば、ISISはイラクの拠点都市をすべて失うことになる>

イラク軍は先週、テロ組織ISIS(自称イスラム国)のイラク最大の拠点モスル西部に進攻を始めた。米軍主導の有志連合当局者によると、戦闘初日にかなりの成果を上げたもようだ。

イラク軍と警察部隊は3方面からISISを同時攻撃。米軍の訓練を受けた対テロ精鋭部隊は、重武装の第14師団と連携して西側から進攻した。警察部隊は日没までに南部の空港を制圧(トップの写真)。米仏両国は空爆で作戦を支援した。

首都バグダッドでのテロ続発や汚職問題で反対派から非難されているアバディ首相にとって、この作戦は最優先課題だ。モスル奪回に成功すれば、ISISはイラクの拠点都市をすべて失うことになる。アバディは先週、ティラーソン米国務長官と電話会談。支援の確約を得たという。

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この作戦の背景には、1月に奪還したモスル東部での苦い教訓がある。ジョセフ・ボテル米中央軍司令官によれば、イラク軍は東部奪還までの3カ月間に約3500人の死傷者を出した。その二の舞いを避けるため、今回は3方面から攻撃を仕掛けて敵の混乱を誘い、1つの前線に戦力を集中できないようにした。

ISISは「イラク軍の作戦に対し、効果的に反応できなかった」と、有志連合のヒュー・マカスラン副司令官(ニュージーランド)は指摘する。イラク軍は戦闘初日で有志連合の事前予想より前方に進めたという。

だが、この先は狭い路地が多いモスル西部での厳しい市街戦が待っている。14年からISISが支配するモスルには、今も75万人の民間人がいる。市内に残るISIS戦闘員は4000〜6000人ともいわれ、大量の簡易爆弾が設置されている。

イラク政府当局者は、今後も有志連合の協力が欠かせないと強調する。イラク内務省の報道官は、「この先数年」は軍事的支援が必要だと語った。

[2017年3月7日号掲載]

From Foreign Policy Magazine

ポール・マクリーリー