28日、米華字メディア・多維新聞によると、中国で近年ナショナリズムが台頭しているとの声に、専門家が否定的な見解を示しているという。写真は2012年夏、深センでの反日デモ。

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2017年2月28日、米華字メディア・多維新聞によると、中国で近年ナショナリズムが台頭しているとの声に、専門家が否定的な見解を示しているという。

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記事によると、「中国では国力増強、国際的地位向上、そして地域の情勢変化にともなって、一般市民の間でナショナリズムの風潮が高まっており、政府により積極的な外国政策を取らせ、アジア太平洋地域の情勢を複雑にしている」との声が聞かれるようになったという。

これに対して、安全保障分野の学術誌インターナショナル・セキュリティにこのほど掲載された米政治学者アラステア・イアン・ジョンストン氏の論文が否定的な見方を示していることを紹介した。

論文によると、「中国のナショナリズムは2002年から徐々に高まり、2009年にピークを迎えた。しかしその後は経済成長鈍化、社会問題の噴出などの影響を受け、下降線をたどった」「中国人に対する『中国が世界的に見て素晴らしい国だと思うか』との質問で、2009年には『強くそう思う』が最多だったが、2015年には『いくらか賛同する』が最多になった。日本に対する好感度も2009年に底を打ち、2011年以降は総じてわずかな回復傾向にある。米国に対してではさらにこの傾向が顕著だ」という。

記事はまた、1978年以前に生まれた世代が後の世代より国への帰属意識が強く、1980年代生まれよりも1990年代生まれの方がナショナリズムが弱いとの研究結果や、政府が積極的な外交政策を見せだしたのは2010年ごろからであり、ナショナリズムが外交政策に与える影響は限定的との分析を紹介している。

そのうえで「中国の外交政策は依然としてエリート層の手中にある。他国が中国と戦略的な安定を維持するうえで、エリート層との密接なコミュニケーションが最も重要」との見方があるとも伝えた。(翻訳・編集/川尻)