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ニチコン、大阪大学、理化学研究所の3者は2月28日、SiCを用いて安定した高周波駆動が可能な電力変換モジュールを開発したこと、ならびに大型放射光施設「SPring-8」のX線自由電子レーザーSACLAの加速器用電源での実証に成功したことを発表した。

SiCはSi半導体よりも低損失かつ高速スイッチングが可能なほか、高周波駆動も可能であるが、高周波駆動にはノイズの増大やそれに伴う安定性への影響などの課題があった。今回、研究グループは、モジュール内にゲートドライブ回路を収納し、かつSiCパワーMOS-FETを採用して駆動周波数を高周波化することで、電力変換容量が数kW〜数十kWクラスのV2H、公共・産業用蓄電システムや高度医療用加速器用電源に適用できる電力変換モジュールを開発し、現行体積比で2/3サイズへと小型化も果たしたという。

また実証実験として、開発した電力変換モジュールを加速器用偏向電磁石電源に搭載して、偏向電磁石の磁場安定性を測定したほか、X線自由電子レーザー(XFEL)のビーム輸送ラインの偏向電磁石を同電源で励磁し、レーザー出力への影響についての検証も実施。その結果、レーザーが発振していること、ならびにレーザープロファイルが変化しておらず、従来のSi半導体モジュールと遜色がないこと、高周波駆動によるノイズ影響がないことを確認したという。

なおニチコンでは今後、今回の成果を踏まえ、高度医療用加速器電源、V2H、公共・産業用蓄電システムなどへの応用を進めていくとするほか、大阪大学を中心に、今回の成果を信頼性評価方法などのガイドライン整備や国内外の標準化活動に反映させることで、今後のSiCを用いた電力変換モジュールの実用化と普及促進を図っていく予定としている。

(小林行雄)