1日、日本からの独立運動を記念する祝日「三一節」を迎えた韓国で次期大統領候補らがそれぞれ演説を行ったが、彼らが口々に唱えたのは日本との慰安婦問題合意に対する反対だった。写真はソウルの古宮・景福宮の光化門。

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2017年3月1日、韓国は1919年に起きた日本からの独立運動を記念する祝日「三一節」を迎え、各地で記念の式典などが行われた。韓国の次の大統領の座を狙う面々がこうした行事で演説を行ったが、彼らが口々に唱えたのは、日本との慰安婦問題合意に対する反対だった。韓国・ニュース1などが伝えた。

職務停止中の朴槿恵(パク・クネ)大統領の権限を代行する黄教安(ファン・ギョアン)首相はソウル市内で開かれた三一節98周年の記念式典で、15年末の日韓の慰安婦問題合意について「両国が慰安婦被害者合意の趣旨と精神を尊重しながら実践しなければならない」として日韓双方が「共に努力」する必要性を指摘した。また、日本政府に対して「歴史をありのまま直視し、未来世代の教育と過去の過ちを反省することに一貫して取り組まなければならない」とある種の「注文」を投げ掛けた。

しかし韓国では、この演説は日本との再協議を求める世論に答えていないとの受け止めが大勢のようだ。実際に「世論に反する立場のため波紋が予想される」(女性新聞)と報じられたほか、野党・正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)代表は演説を聞き「演台をひっくり返したくなった」と怒りをあらわにした。大統領選への挑戦を明言している沈代表はこの日、慰安婦問題の解決を求めソウルの日本大使館前で毎週開かれる「水曜集会」に出席、黄首相の演説について「実に親日売国政権らしい妄言と言わざるを得ない」と批判した上で、「大韓民国は世界10位の経済大国だ。(日本に)10億円を今すぐ返そう」、返すついでに「尹炳世(ユン・ビョンセ外交部長官)も一緒に(日本に)送ってしまおう」と述べた。

「慰安婦合意は外交ではなく闇取引」と表現したのは、洪準杓(ホン・ジュンピョ)慶尚南道知事だ。知事は道主催の式典でやはり日韓合意に言及、「人間の尊厳の問題である慰安婦被害を物質的補償の対象にしてしまった現在の外交政策は、外交ではなく闇取引だ」と批判し、「日本の慰安婦問題は、ナチスのユダヤ人虐殺のような反人類犯罪として、合意ではなく記憶せねばならない」と主張した。政治資金法違反の罪で在宅起訴された洪知事には先月、ソウル高裁で無罪判決が言い渡され、次期大統領選に出馬の意向が濃厚とみられている。

一方、次期大統領の有力候補の一人とされたびたびの反日発言でも注目されている「韓国のトランプ氏」こと李在明(イ・ジェミョン)城南市長からはこの日、慰安婦問題に関する発言はなかったようだ。李市長は三一節に際しフェイスブックに文章を掲載、朴大統領の弾劾を求める「ろうそく集会」を革命になぞらえ、「ろうそく革命は第2の3・1運動(独立運動)です」「非暴力と平和だけがわれわれの武器です」などと国民に呼び掛けた。(翻訳・編集/吉金)