ファンキー加藤 初心に返って全国行脚「またこうして向き合ってくれたこと、一生忘れません」最終公演は3/17中野サンプラザ

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 現在、全国ツアー【HALFWAY STAR TOUR】を開催中のファンキー加藤。日本各所でエモーショナルで熱いライブを繰り広げてきた同ツアーも残すところあと2公演、3月17日 中野サンプラザでの追加公演でツアーファイナルを迎える。

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<ファンモンのデビュー当時に近い感覚だと思います。イチからの再出発>

 本人いわく「本当に出し切ったんですよ。もう今カラっぽなんですよ。アイデアなんて何も残ってないんですよ。本当に最後の最後まで粘って……「どうしても最後にもう1曲だけ作りたいんです。あと3日間ください」って本当に粘って。ここまで悪あがきしたのも初めてだったし、でもすべて出し切ることが出来た。だからこのアルバムをどうか聴いてほしい。どうかあなたの人生の70分間を僕に頂けませんか? 聴いて頂けませんか? っていう気持ちです。ここまで「一度でいいから聴いてもらいたい」と思うような作品もタイミングも今までなかった……」と語る最新アルバム『Decoration Tracks』を携えた今回のツアー。

 「ライブ会場まで来て頂いたら、ステージ上の自分には自信があるので、必ず楽しませます! という想いですね。藁にもすがる思いというか。ファンモンのデビュー当時に近い感覚だと思います。イチからの再出発。そこからまたファンキー加藤を貫き通せたらなと思ってます。」との言葉通り、そしてツアータイトル【HALFWAY STAR】=「中途半端なスター」のフレーズ「戦いたい まだ狙っているんだ 逆転満塁ホームラン」という想いも強く感じさせるパフォーマンス。それを昨年11月より約5か月にわたり全国各所で繰り広げており、日本中のファンへ丸裸の想い、メッセージを文字通り必死に届け続けている。

<歌ってる目の前のミュージシャンが嘘っぱちだとしても……>

 ツアー開催中につきまだ全貌は記さないが、例えば『Decoration Tracks』の最後を飾るナンバー「本当のこと」を歌う姿は凄まじく、11月17日 神奈川県民ホール公演では熱唱のあまり喉を潰しても、声にならない声で歌い叫んでいる様は鬼気迫るものがあった。「僕らは一つになれるとか あなたへの想いは永遠だとか 歌ってる目の前のミュージシャンが嘘っぱちだとしても……お前が お前が 掴んでいる 愛は 間違ってない お前が お前が 掴んでいる 愛は 本当のこと」と、ファンキー加藤が今にもぶっ潰れてしまいそうな熱量とエモーションで届けている事実は感慨深く、誠意とか共感なんて言葉では表しきれない、それを発信する者と受け止める者が互いに鼓舞し合うような、そこに居合わせた者たち全員の強烈な想いが感じ取れた。

 昨年夏に開催された【I LIVE YOU 2016 in 横浜アリーナ】(http://bit.ly/2dHeSmG)。ファンキー加藤は「今、僕が発する言葉には、全くもって説得力というものがないかもしれません」とファンの前で自ら語った。それでも彼はその「成立しなくなってしまった歌」を歌い続け、そこに居合わせた者たちはそれを優しく受け止めた。共に歌って泣いて笑って大騒ぎ。言うならば、ひとりのミュージシャン人生が救われた瞬間である。からっぽになるほど全てを詰め込んだ最新アルバム『Decoration Tracks』、そして今作を携えた全国ツアー【HALFWAY STAR TOUR】は、その先にあるストーリー。改めてファンキー加藤がファンキー加藤として「こんな僕とまた共に歩んでください」という想いを自ら示さなければいけない場面だった。

 だから彼はいつにも増して必死に歌い叫んだのだろう。声が潰れてしまった自分を情けないと思ったかもしれない。それでもとにかく届けようとしたのだろう。そこにある愛は間違ってないんだと、本当のことなんだと、今回も変わらずオープニングから全力で共に歌って泣いて笑って大騒ぎしてくれるみんなへ伝えたかったのだろう。そして、自分自身とも「俺らが 俺らが 生きている 今日は 間違ってない 俺らが 俺らが 生きている 今日は 本当のこと」と歌いながら対峙し、ファンキー加藤が今もこうして歌い続けている理由を噛み締めたはずだ。

<またこうして向き合ってくれたこと、一生忘れません>

 そんなこれまでのファンキー加藤のライブとは一味違う、ファンじゃない人が見ても「今のファンキー加藤ってなんか凄ぇな」と驚くであろう一幕もある同ツアー。前述した「必ず楽しませます!」という言葉にも間違いはなく、会場に集まったオーディエンスひとりひとりと目が合うまで客席を凝視し続ける場面もあったりと、誰もが最初から最後まで楽しみ上げられる内容になっている(爆笑必至のご当地クイズコーナーも!)。本人も先日のブログで「終わってしまうのが寂しくなるほど、その時間がいとおしくて、一瞬一瞬を抱きしめるように歌いました。またこうして向き合ってくれたこと、一生忘れません。」と記していたが、どの瞬間もスペシャルで大切で愛おしいと思わせるライブがそこにはある。

 残す公演は、3月11日の北海道・わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)と、3月17日の東京・中野サンプラザのみとなっているが、おそらく最高と最幸をさらに更新するライブが繰り広げられるはず。このツアーを終えた先も含め「ファンキー加藤を貫き通せたらなと思ってます」と覚悟を決めた“中途半端なスター”の動向に注目だ。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:(c)堂園博之