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 サムスン電子副会長で、実質のサムスングループ総帥である李在鎔(イ・ジェヨン)氏が、朴槿恵大統領への贈収賄疑惑で、特別検察官の捜査チームに逮捕されたのが2月17日。

 10日後の昨日、2月28日には、強大なサムスングループの「指令室」と言われていた「未来戦略室」の解体も発表され、在宅起訴が発表された崔志成(チェ・ジソン)室長や張忠基(チャン・チュンギ)次長ら9人も辞任した。

 半世紀以上に渡り、韓国経済の雄として君臨してきた一大財閥が存亡の危機を迎えている中、またもサムスングループに「災難」が降りかかった。

◆サムスンディスプレイのベトナム工場で数千人規模の暴動

 2月28日現地時間午後1時頃、ベトナムにあるサムスン電子の工場で現地労働者たちによる暴動が起こった。サムスン電子のベトナム工場といえば、サムスンのスマートフォンの生産の40%を担う中核の工場。場所は、ベトナムのハノイから北に58劼砲△襯丱ニン省のイェンポン。

 韓国のメディアによれば、サムスン電子の傘下である、サムスン・ディスプレイの工場において、韓国人の保安員が現地職員に対し暴行を働いた。それを周囲で見ていたベトナム人たちが激昂。暴行した保安員を含む、韓国人職員たちに暴力的に反発した。

 現地では数百人の韓国人が働いているが、「1名死亡」の報道も出るなど、少なくとも重傷者が複数名出ている模様だ。

◆サムスン側は「軽微な混乱」と説明

 ベトナムの現地メディアであるVNエクスプレスによれば、警察関係者の言葉として、「警備員達が、昼食を終え帰るために出入り口に並んでいた40代労働者を警備室の中に連れ込み、すぐに(警備員と労働者が)争いを始め、それを見ていた数百人の労働者が警備員たちを追いかけ始めた」と報じた。

 一方、サムスン側は「軽微な混乱があっただけで、怪我人や死亡者はいない」とし、「現場では事を収めたのち、正常に稼働している」と明かした。しかし現地から送られてきた動画を見る限りは、決して「軽微」ではない様子がうかがえる。

 ベトナムはサムスン電子の主要な生産拠点であり、1月10日には、サムスン電子傘下のサムスン・ディスプレイが、既に多額の投資をしてきた同地域に、3兆ウォン(約3000億円)の追加投資をすると報じられたばかり。ベトナムの輸出総額におけるサムスン電子グループの割合は22.7%(2016年)であり、ベトナムにおけるサムスングループの存在感は絶大だ。

 グループ総帥の逮捕、グループの「コントロールタワー」の解体に続き、生産主要拠点における暴動。サムスングループの苦難は当分続くかも知れない。 <文/安達 夕>