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サイボウズは2月28日、都内で2016年12月期(2016年1月〜12月31日)の決算と2017年の事業戦略について記者会見を開催。説明には同社 代表取締役社長の青野慶久氏が登壇した。

同社の2016年12月期の売上高は前年比14.6%増の80億3900万円、営業利益は5億1500万円、経常利益は5億8700万円、当期純利益は3億500万円となった。青野氏は、昨年の赤字決算を踏まえ「普通に黒字になり、正直ネタ的には面白くない」とコメントした。

同氏は「当初、2016年12月期の売上高は80億円、そのうちクラウド関連は同38億8000万円と予想していたが、結果的に同80億3900万円で着地し、クラウドに関しては前年比49.2%増の同40億5000万円と、売り上げ全体の5割を超えた」と2016年の概況について説明した。

○2016年はクラウド関連サービスの拡大が顕著に

青野氏は、2016年の活動トピックとして「クラウド事業をさらに加速」「kintone革命」「働き方改革」の3点を挙げた。

クラウド事業において特筆すべき点は、中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」が過去最高の売り上げを達成したことだ。同製品は1997年に提供を開始し、2001年に過去最高の売り上げを記録してからは、売り上げを維持することで精一杯だったという。

しかし、2011年末にクラウドサービスとして提供を開始してからは右肩上がりに伸張しており、同氏は売り上げが拡大した要因について「サイボウズ Officeの提供を開始した1997年ごろから企業はパソコンの導入をスタートしたが、グループウェアは活用されずにEメールや表計算のソフトだった。ところが、2010年以降にモバイルが発達し、スマートフォンで常時接続が可能になったほか、クラウドの技術で自社システムを構築しなくてもグループウェアが使えるようになり、拡大している」と分析した。

業務アプリ構築クラウドであるkintoneについては、導入企業が5500社以上(2017年2月末時点の契約社数、前年比約2000増)、公式パートナーは276社(2016年12月末時点)となっている。また、サブスクリプションの売り上げは前年比80%増と伸張した。

働き方改革に関しては、これまで同社では10年以上にわたり取り組んできた経緯もあり、実践企業として講演活動やメディアへの露出などの情報発信を行っている。さらに、リアルオフィス(物理出社)とバーチャルオフィス(論理出社)の取り組みでは、どちらに「出勤」しても働けるツールを整え、働き方の多様化を進めている。

○エコシステムの強化、海外事業、新規事業で攻める2017年

一方、2017年は「エコシステムの強化」「海外事業への積極投資」「新規事業への取り組み」の3つを推進していくという。

エコシステムの強化について青野氏は「5月に大企業向けグループウェアであるGaroonのカスタマイズ機能のリリースを予定し、JavaScript、Rest API、Webhookを搭載することで、Garoonのスケジューラーが他社のクラウドシステムと連携することが可能なほか、ワークフローのサービスが他のシステムと連動して動くようになる」と機能追加によるメリットを説明した。

昨今、このようなカスタマイズ機能は大企業において求められているため、同社ではGaroonとkintoneのパートナー両方を活用し、パートナー連携の強化や製品連携の強化を図る方針だ。また、kintoneはユーザーイベントの全国展開を予定し、11月からは認定資格制度の開始を予定している。

海外事業に関して、同氏は「現状では日系企業を中心に中国で700社、東南アジアで150社、アメリカで100社の導入実績がある。さらに、2016年にはオーストラリア・シドニーに現地の複数企業と共同出資により、kintoneの販売網を構築するためkintone Australiaを設立した。まずは日系企業を対象とし、将来的に現地企業に拡販していく」と期待を口にした。

新規事業では、同社が培ってきたチームワークのメソッドを社外に提供していくことを目的に、為末大氏と共同で学校向けに「リレーでチームワーク」を提供している。加えて、これまで自社でイベントを企画・運営していたが、社外にオーガナイザーを育成することで全国に横展開し「地域の再チーム化」を進める地域クラウド交流会などを推進していくという。

これらの施策により同社では、2017年12月期に売上高89億円、うちクラウド関連で53億7500万円、営業利益3億3300万円、経常利益3億3900万円、当期純利益1億5200万円を目指す考えだ。

(岩井 健太)