今の仕事は、将来の目標への通り道になっていますか?


 このコラムをお読みの皆さんは、1日のうち仕事が占める時間が一番長いのではないでしょうか? そんなに長い時間を費やすのだから、やはりやりがいを持って楽しく仕事をしたいものですよね。

 けれど、「前はやりがいもあったし、楽しかったけれど、最近はただルーティンワークをこなしているだけのような気がする」という方も多いかもしれません。

 ではどうすれば仕事に再びやりがいや楽しみを感じられるようになるのでしょうか。それには大きく2つの方法があると思います。

 1つは、今の仕事が「自分が将来なりたい姿」に向かってのステップであることを確認する方法。

 もう1つは、今の仕事で、過去に楽しかったり、好きだった瞬間を思い出してみる方法です。

 それぞれについて説明しましょう。

今の仕事は目標への通り道なのか?

 1つ目の方法は、将来の目標やビジョンを思い浮かべやすい人に向いています。例えば、「将来は、〇〇さんのような尊敬できるリーダーになりたい」「責任をもって事業を運営してみたい」「『これなら負けない』という専門性を持ちたい」といったことです。

 目標達成に向けてのステップになりそうな側面を今の仕事に見つけられたら“やりがい”が戻ってくるかもしれません。

 でも、自分の将来像が明確なら、既にやりがいも楽しみも見出しているはずなのでは──? そんな疑問をもたれるかもしれません。

 そういうときは、今の仕事が本当に目標への通り道なのかを振り返ってみましょう。

「そもそも、なぜ今の会社に勤めたのか? なぜこの仕事を選んだのか? 異動してきた時の決意はなんだったのか?」 もういちど自分の目標やビジョンを思い出して、今の仕事がその通り道になっているかを考えてみるのです。

 通り道であればやりがいや楽しみを見つけられるでしょうし、通り道ではなさそうならば異動や転職を選択肢にしてみることも大切だと思います。

自分が大切にしていることを確認してみる

 2つ目の方法は、将来のビジョンを思い浮かべるのがあまり得意でない人(私もそうです)に向いています。

 ここでは過去を振り返ってみましょう。「この仕事をしてきて、どんな時にやりがいや楽しさを感じたのか」を思い出してみます。

 お客さんから『ありがとう』と言われた瞬間ですか? それとも、難しいプロジェクトを成功させてみんなと喜び合っている瞬間ですか?

 その瞬間を思い出すことで、自分が何を大切にしているかが分かってきます。

 私の友人を例に挙げましょう。その人は、経営陣がしょっちゅう交代し、業績もあまり芳しくなく、離職率が高い企業に勤めていました。雰囲気もあまり良くないそうです。

 その人はちょっと特殊なスキルや経験を持っているので、他社から「うちに来ないか?」とよく声がかかります。だけど、それに乗ることはありません。私ならとっくに転職を考えるのにと不思議に思い、「どうして今の会社に勤め続けているの?」と尋ねてみました。

 すると、その人はこう答えました。

「それは自分でも考えてみたんだけど、この会社にいると、いろいろな国の人とディスカッションしながらどうやって売上や利益を作るかを考えることができるんだよ。外国の人たちは既成概念にとらわれることが少ないし、有意義なディスカッションになることが多い。それが好きみたいなんだ」

 この人は、「いろいろな価値観を持っている人と既成概念にとらわれずに自由にディスカッションして物事を進める」ことを大切にしてるんですね。

 将来の目標やビジョンを描かなくても、自分がやりがいや楽しさを感じられる瞬間を明確にすると、日々の仕事が生まれ変わり、ルーティンワークではなくなるはずです。

多くの気づきが得られる2つの質問

「なぜ今の会社に勤めたのか? なぜこの仕事を選んだのか? 異動してきた時に持っていた決意はなんだったのか?」

「今まで仕事をしてきて、どんな瞬間が楽しかったのか? どんな瞬間にやりがいを感じたのか?」

 この2つの質問に対する答えを考えてみると、多くの気づきを得られます。また、考えること自体が楽しいと思うので、とてもおススメです。

筆者:和気 香子