資産運用業界に「新しい血」を入れる投資枠の制度を導入せよ

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東京都の「国際金融都市・東京のあり方懇談会」も2月14日に第3回を迎え、税制・教育など個別テーマについて熱のこもった議論が戦わされるようになった。中でも注目されたのが、懇談会の委員の1人である一般社団法人日本投資顧問業協会の岩間陽一郎会長による"EMP( Emerging Manager Program )"導入を後押しする主張であった。EMPを直訳すれば「新興運用業者への投資枠」だが、一般の方にはなじみが薄いと思われるので、本稿では、EMPとは何か、そして、今なぜ日本にEMPを導入する必要があるのかについて、岩間会長の資料も必要に応じて引用しながら簡潔に解説してみたい。

銀行や証券会社の系列が
幅を利かせる日本の資産運用業者

 日本の資産運用業界は、銀行・証券会社・生保等の系列運用会社が幅を利かせているのが現状だ。表1は、国内の投資信託の残高トップ50のランキングだが、一部外資系運用会社を除くと、ほぼ国内大手金融機関の系列で占められていることがわかる。

 本来、資産運用業者は、投資家、ないし顧客の利益を第一に運営されねばならず(フィデューシャリー・デューティ)、販売者が顧客に奨める運用会社はパフォーマンスを基準に選別されるべきところ、結局販売会社である銀行や証券会社の都合で、自社の系列や、自社と関係の深い大手生保等の系列運用会社が優先されるという深刻な利益相反構造が垣間見える。大手金融機関の系列運用会社の役員は、多くが親会社からの天下りで、必ずしも資産運用のエキスパートでないこともあり、また社員も、いわゆるサラリーマンの給与体系で仕事をしていることが多い。

◆図表1:国内投資信託ランキング(2016年11月)

 これに比べて、欧米では大手金融機関の系列に属さない独立系の運用会社が圧倒的に強い。こうした独立系の運用会社の役職員、特に運用の最前線の担当者たちは、投資家利益が実現すれば自らの報酬も増えるという成功報酬型の給与体系で運営されることが多く、投資家利益と自らの利益が一致している。

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