21日、河野龍太郎 BNPパリバ証券経済調査本部長が日本記者クラブで会見。トランプ米新政権の経済政策トランプノミクスについて、移民規制や保護貿易はむしろ経済成長率を低下させると指摘。「ブームの賞味期限は1年半〜2年程度」と予測した。

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2017年2月21日、内外経済予測に詳しい河野龍太郎 BNPパリバ証券経済調査本部長が日本記者クラブで会見した。トランプ米新政権の経済政策トランプノミクスについて「財政資金をばら撒けば、一時的に米国の成長率のかさ上げは可能だ」としながらも、移民規制や保護貿易はむしろ経済成長率を低下させると指摘。「ブームの賞味期限は1年半〜2年程度で、その後は不況に陥る」と予測した。またクロ一ニーキャピタリズム(縁故主義)の下で、一部の既存企業やその従業員が恩恵を受けることは、イノベーション(技術革新)の可能性を秘める新規参入者の足かせとなるという。発言要旨は次の通り。

トランプノミクスのブームの賞味期限は1年半〜2年程度だろう。財政資金をばら撒きさえすれば、一時的に米国の成長率のかさ上げは可能だ。ただ移民規制や保護貿易はむしろ経済成長率を低下させる。クロ一ニーキャピタリズム(縁故主義)の下で、一部の既存企業やその従業員が恩恵を受けることは、イノベーションの可能性を秘める新規参入者の足かせとなる。

拡張財政と金融引締めのポリシーミックスでドル高が進展。拡張財政の効果はドル高を通じ各国に浸透する。しかし米長期金利の大幅上昇とドル高進展が米国経済の次なる景気後退の原因となり、2018年中に転機が訪れ2019年には不況に陥る。

ブームの後には到来する第1の可能性は、ドル高修正のためのレーガン第2期目と同様のプラザ合意(1985年=大幅円高・ドル安を志向)的な政策。第2の可能性は、低成長を糊塗するための、追加財政政策。いずれの場合も、FRB(連邦準備制度理事会)は金融緩和に動く可能性がある。2018年以降は、政治的に独立性を失った中央銀行の下で、インフレ動向に関わらず、トランプ大統領再選のための(緩和的な)政策運営が取られるリスクがある。

完全雇用の下での大規模財政の継続やドル安政策で、インフレ期待が上昇。低い成長と高インフレの共存するスタグフレーションに陥る懸念がある。各国で財政インフレが生じ、世界的な低インフレ環境は終焉する可能性がある。(八牧浩行)