「飲む点滴」はダテじゃない!人気の甘酒を栄養士が解説

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健康ブームで人気の“甘酒”。でも甘酒ってお酒でしょ? なんて言っている方、まだ周りにも多いですよね。甘酒の魅力を知らない人は損していますよ。

管理栄養士の筆者が、甘酒の魅力をお伝えします。

甘酒には大きく分けて2種類がある

江戸時代には夏の風物詩だった甘酒。江戸時代の人は夏バテ予防に甘酒がよいと知っていたようで、夏には江戸の町を甘酒売りが多く売り歩いていたことで夏の季語にもなっていたようです。

さて、そんな甘酒ですが、大きく分けると2種類あります。

ひとつは酒粕を使って作られたもの。これは、酒粕に砂糖を加わえて作りますのでアルコールも含まれています。これは子供には不向き。

一般的にお酒だと思っている方はこちらの甘酒を指しています。

もうひとるは米に麹を加えて発酵させてつくる甘酒。こちらは砂糖を加えず米を発酵させた甘味で、“飲む点滴”と言われているもの。こちらが今健康ブームで人気の甘酒になります。

江戸時代の人は夏以外でも甘酒は飲まれていたそうです。冬には温めて、夏には冷やして。特に夏は夏バテ予防にと人気も高く良く売れたようです。

栄養学など知らなくても経験値から必要な食べ物を理解していたようで、昔の人には本当に感心させられます。

“飲む点滴”の所以

一般的な栄養補給の点滴はブドウ糖が主成分になります。

甘酒は米を発酵によりでんぷんをより分子の小さい糖に分解していますので、そのままお米を食べるより糖の吸収がよくなります。分解された糖の20%はブドウ糖まで分解されているのでとても甘くなるのです。

食欲のない夏などには、速やかに吸収される甘酒が飲む点滴と言われていたのも納得です。

甘酒でも玄米から作った甘酒は、白米とは違い、もともと玄米に含まれていた栄養のたんぱく質や脂質にビタミンやミネラルも吸収しやすくなっています。

エネルギー産生効率がアップ

玄米甘酒に含まれるビタミンB群は、エネルギー代謝に必須。エネルギーを作り出すときの補酵素として働いてくれます。

特に糖の代謝、たんぱく質の代謝、脂質の代謝に欠かせません。食べ物から摂取したカロリーも代謝してエネルギーに換えられなければ余分な脂肪として蓄積してしまいますが、エネルギーとして代謝されてしまえば蓄積しません。

甘くてカロリーが高そうにみえる甘酒ですが、一緒に代謝を促す成分が含まれているところがポイントです。

乳酸菌で腸内環境を整える

なにかと話題の“乳酸菌”。もちろん発酵食品である甘酒の中にも乳酸菌が含まれます。

乳酸菌はそのまま摂取しても効果が出にくいもの。じつは食物繊維と一緒に摂取すると腸内細菌叢のバランスを整えてくれることが分かっています。

甘酒は玄米に含まれる食物繊維も一緒に摂ることができますので腸にも良い食品と言えます。

皮膚は内臓の鏡ともいわれます。便秘や腸内環境が悪い人ほど吹き出物や肌荒れで悩んでいる人が多いもの。砂糖のたくさん入ったお菓子やデザートを食べるくらいなら、玄米甘酒を摂るほうがカラダには優しいのです。

玄米甘酒は子供のおやつにも最適

子供は甘いものが大好き。ついついお菓子などをあげてしまう傾向にありますが、玄米甘酒を薄めておやつ代わりにしてあげるのはいかがでしょうか?

また季節の果物と混ぜてプリンなどにアレンジしても健康的なデザートになります。

もちろんお料理にもお砂糖代わりに使える場面もたくさんあります。たとえばお肉の下味に使うとお肉が柔らかくなります。ただし菌の力で発酵分解が進んでほしくないお野菜のお料理には向きません。

筆者が子供の頃から知っている甘酒といえば、酒粕で作ったアルコールを含むものという印象でした。

今でもそういう印象しか持たれていない方がおります。しかしそれは、本当の甘酒を知らないだけのこと。

いまでは自宅の冷蔵庫に玄米甘酒を常備しており、お砂糖を使うことがほとんどありません。甘くて身体に良い甘酒を、ぜひ日常にとり入れてみてはいかがでしょうか。

【参考】

※ 飲む美容液「甘酒」を“白・黒・緑”の3色で楽しめる  通販サイト「タマチャンショップ」に2月13日(月)新登場!

【画像】

※ Vitalii Krokhmaliuk / shutterstock

【筆者略歴】

日下部淑美

女子栄養短期大学卒。製薬会社、医薬品業界に約17年従事。2009年に独立し、管理栄養士業務を中心に食事・栄養指導をクリニックや施設、企業において行う中で、病気は感情の現れであることに気付いたことをきっかけに、独学で病気と感情・思考と食生活の関係を学び、さらに五臓六腑と生まれつきの体質の関係を紐解き、独自の個別カウンセリングを行っている。2016年には日本の伝承医療「へそ按腹」と「生まれもった体質に合わせた食養生」をとり入れた臓腑活性化協会を立ち上げ「臓活」マイスター養成講座を開講。