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●CP+2017の舞台、横浜でPhoto Talk, Walk and Fork
○教えて! ゆるふわ系のJulieanne先生

CP+2017に合わせて開催された「Adobe Photo Talk, Walk and Fork」に参加してきた。Adobeのエバンジェリストを招き、Talk (座学)、Walk (撮影)、Fork (懇親会) の3パートで構成されたセミナーだ。講師は、Photoshop 2.0時代からAdobeで開発に関わってきたJulieanne Kost氏である。

セミナーは、夜景を主としたワークフローの解説が中心だった。RAW現像のフローは人それぞれだが、誰かのフローを真似てみて、自分に落とし込むとレパートリーが広がるし、新たな機能の発見にもつながる。

さて、「Lightroom Mobile」と「Lightroom」は何が異なるのか。まずUI。Lightroom Mobileはスマートフォンやタブレットで操作しやすいように変更されているが、パソコン向けのLightroomと機能はほぼ同一。Adobe Cloud経由でのコレクション共有も可能であり、エンジンも同じものを採用している。もちろん、スマートプレビューでの処理仕様も同じだ。つまり、Adobe Cloudにアップロードしているデータを読み込み、その設定値を共有することで、PCでもスマホでも一貫して作業を行える。

気がつけば、Lightroom MobileでもカラーマネージメントはsRGBとAdobeRGB、iPhone 7シリーズの場合はDCI-P3にも対応している。また、Lightroom Mobile内のカメラアプリは、DNGでの保存やマニュアル撮影も可能。スマホでRAW撮影しての現像も快適になっている。

○必見の現像テクニック

Julieanne氏のデモの流れを見ていこう。デモに使用した写真は、Lightroom Mobile内のカメラでDNG撮影したもので、本記事のスクリーンショットもWalk中に撮影したもので解説している。

まず、「シャドウ」を思いっきり上げ、次に「白バランス」をヒストグラムを見ながら調整する。それから「ハイライト」を下げていた。これは、iPhoneのイメージセンサーの特性が、シャドウ側の階調が豊富であるため (最近のデジタルカメラも同じ傾向だ)。ガンマを下げたような状態にできる。多くのシーンでガンマ2.2が基準になっているが、ファーストステップを見ると、ガンマ1.8よりも低い雰囲気になる。またハイライトを下げているのは、以降の処理過程で白飛びやトーンジャンプを抑える目的が強い。

次に重要とアピールしていたのが、「明瞭度」と「かすみの除去」。この2項目の値をプラスに変更していくと、この時点ですでにイイ感じの夜景写真になった。どれくらい値を上げるかは写真次第だが、+50以上にしてみるとわかりやすい。「かすみの除去」は、本来は文字通りの機能なのだが、ここでは色とコントラストのバランスを調える目的で使用している。変則的なカラコレ感覚とでも言おうか。ともあれ意外だった。

以降は、「ホワイトバランス」や「トーンカーブ」による微調整を中心としたよくある現像フローだ。Julieanne氏のデモでは、Lightroom Mobileの機能を解説しつつ、キレイに大半の機能を使用していた。それに習って、筆者が処理した行程が以下になる。

●夜景のテクニックを日中写真に応用
○Julieanne氏のフローをアレンジしてみた

この日、Julieanne氏から教わったテクニックは夜景向けとのことだったが、日中の写真にも応用可能だろうと試してみた。晴天や曇りの場合は、前ページで解説した項目の設定値をそれぞれ50〜70%以下にすることで、マッシブな感じが出やすくなる。「シャドウ」と「明瞭度」、「かすみの除去」の挙動を把握すれば、汎用的にアイディアが溢れてくる。また「明瞭度」をマイナス、「かすみの除去」をプラスにすると、エッジをフワフワさせないまま、効果を得やすいこともわかった。以下の作例でいうと、雲の主張を抑えたい場合などに便利だ。

○スマホアプリと思わずに使ってみよう

RAW現像するなら、スマホは話にならず、PCのほうが圧倒的に有利と思いがちだが、Lightroom MobileはLightroomと同じエンジンを搭載しつつ、扱いやすいデバイスでスマートに作業を行える。近年のスマホは発色もよく、プリチェック用やレーティング付けだけでなく、その場で軽く処理をしてSNSにアップロードするのもやりやすい。Creative Cloud サブスプリクションを契約していなくても、使用できる機能は多いので、Lightroom Mobileをインストールしておけばかなり遊べること請け合いだ。

(林佑樹)