by Dan Gold

グルテンフリーダイエットやジュースダイエットなど、さまざまな食事療法が「健康にいい」ともてはやされては消えていきます。そこで、「心臓疾患のリスクを減らすのに役立つ『本当に健康的な食生活』とはどんなものなのか?」という観点から、研究者らが過去40年に行われた研究を調査しています。

Trending Cardiovascular Nutrition Controversies | JACC: Journal of the American College of Cardiology

http://www.onlinejacc.org/content/69/9/1172

Butter or olive oil? Eggs or no? New nutritional review cuts through the myths. - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/lifestyle/wellness/butter-or-olive-oil-eggs-or-no-new-nutritional-review-cuts-through-the-myths

Want A Long Life With A Healthy Heart? Here's What To Eat (And What Not To)

https://www.forbes.com/sites/tarahaelle/2017/02/27/want-a-long-life-with-a-healthy-heart-heres-what-to-eat-and-what-not-to/

結論から言うと、「心臓疾患のリスクを減らす食生活」とは、野菜・果物を多く摂取し、全粒穀物やナッツ、マメ科の食物を適度に取り、赤身肉や魚、植物油、ローファット&ノンファットの乳製品なども取る食生活になります。過去には「動物性脂肪は有害」「植物油脂は危険」と言われたこともありますが、これまでの研究を再評価したところ、量を制限する必要はあるものの有害という結果にはならなかったようです。一方で、飽和脂肪やトランス脂肪、固体油脂、ナトリウム、砂糖の取りすぎ、精製された小麦粉は避けるべきものとのこと。

心臓専門医であり、調査を行った1人でもあるAndrew Freeman医師は「緑の野菜や葉物野菜、全粒穀物、マメ科植物、果物を多く取る食生活が心臓の健康によいという意見の一致はより大きくなってきています。一方で、抗酸化サプリメント、ジュースダイエット、グルテンフリーダイエットなど、栄養に関する流行には多くの誤解が含まれます」と語っています。

◆ジュースダイエット



by JÉSHOOTS

果物や野菜をジュースにしたものを摂取した時と、果物・野菜そのものを摂取した時の違いについて調査した研究は数少ないとのこと。しかし、ジュースにすると果物や野菜そのものよりも摂取が容易になるため、カロリーを取りすぎる可能性があり、研究論文が増えるまではジュースではなくて素材そのものを食べることがオススメされています。普段の生活で野菜や果物の摂取が少ない人はジュースでも大丈夫そうですが、その際は砂糖・蜂蜜といったものを避けるようにと研究者らは忠告しています。

◆抗酸化サプリメント

抗酸化物質は活性酸素を取り除き生活習慣病の予防や老化を抑える効果があるとして知られていますが、抗酸化サプリメントが心臓の健康に利益があることを示す研究結果は現時点で存在せず、場合によっては危険をもたらすことも。2017年時点で立証されているのは、「果物や野菜には高い抗酸化効果が認められ健康的である」ということ。サプリメントではなく食べ物から抗酸化物質を取る事が必要であるようです。

◆グルテンフリーダイエット

タンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患「セリアック病」はパンやパスタなどの小麦製品を避ける必要があります。しかし、セリアック病ではない人々が小麦製品を避けることで減量ができたり心臓の健康を守れるという証拠は存在しないとのこと。なお、アメリカにおけるセリアック病患者は人口の1〜2%で、セリアック病にかかっていない小麦アレルギーの人は人口の6%ほどとなっています。

◆ココナツオイル&パームオイル



by Beverly Crandon

アメリカ心臓協会によると、ココナツオイルやパームオイルは、人のコレステロールレベルを上げるものとして知られている飽和脂肪酸を多く含みます。特に近年は「ココナツオイルは健康にいい」と言われていますが、これらの油が心臓にいいという研究結果はほとんどなく、パーム油について言えば心臓疾患のリスクを上げるという研究結果も発表されています。また一方で、オリーブ油のような植物油は悪玉コレステロールのレベルを下げ、善玉コレステロールのレベルを上げるという調査結果が多く出ていました。ただし、これらの油は高カロリーのため適度に使うこと、とも記されています。

◆ナッツ

ナッツは心臓の健康によいという研究結果が示されていますが、食べ過ぎはカロリーと脂肪の取りすぎにつながります。

◆卵

「卵はコレステロールが多く含まれる」として避けている人もいるかも知れませんが、研究によると、バターや肉に含まれるトランス脂肪酸の方が卵よりも血中のコレステロールレベルに大きな影響を及ぼすことがわかっています。また、食べ物に含まれるコレステロールをどの程度吸収するのは個人差があり、遺伝子の関係で通常の人よりも3倍もコレステロールに反応しやすい人も存在するとのことなので、一様に「卵のコレステロールに気をつけるべき」とは言えないようです。

◆葉物野菜



by Mike Kenneally

ケールやほうれん草といった葉物野菜にはビタミン・ミネラル・抗酸化物質などが多く含まれ、「1日3食の葉物野菜を取った人は24%も心臓疾患のリスクが少なくなる」という研究結果も存在します。抗凝血の治療を受けている人は、「血液を凝固させる働きがあるビタミンKを豊富に含むため、葉物野菜を避ける必要がある」と言われますが、適度な量の野菜は治療にも役立つと医師は語っています。