28日、札幌冬季アジア大会を取材した騰訊体育の記者・応虹霞さんは、「日本に学ぶべき」と主張する記事を掲載した。写真は札幌。

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2017年2月28日、札幌冬季アジア大会を取材した騰訊体育の記者・応虹霞(イン・ホンシア)さんは、「日本に学ぶべき」と主張する記事を掲載した。

応さんは今大会について、「日本式のもてなしを表現し、施設の継続利用や経済合理主義の間で、アジアのために心のこもった冬の宴を開催した。その後ろには、ぼんやりと東京五輪の影が透けて見えている」と評している。

記事はまず、新千歳空港に降り立った際に、予想外の「女性」に出迎えられたことに言及する。その女性は、大会のPR大使「雪ミク」。雪ミクはアジア圏でも大人気の電子の歌姫「初音ミク」の雪バージョンで、北海道のPR大使でもある。今大会のPR大使は「雪ミク」以外にも元スピードスケート選手の清水宏保とフィギュアスケート選手の浅田真央の姉・浅田舞が務めた。記事は、清水宏保がスポーツに興味のある層、芸能活動も行う浅田舞がスポーツにそれほど興味のない層、雪ミクがアジア圏の人々というように、それぞれが異なる層にアピールしていたと指摘する。また、東京五輪のPR大使はまだ公表されていないものの、今回のアジア大会を見ると、東京五輪での二次元のキャラクター起用に期待を抱かせるものだと伝えている。

次に挙げるのがボランティアスタッフだ。開幕前日にプレスセンターにいたところ、「記者の方ですか?北海道のお菓子です」と優しい声で「白い恋人」を手渡してくれたという。郵便局職員だというその女性は、まだ幼い子どもを預けてボランティアにやってきていた。メディア関係者が宿泊するホテルでボランティアをしていた男性は、10年前に大連で仕事をしていた。3年前に定年退職後、中国語を勉強し直して、昨年5月のボランティアスタッフ募集に応募したそうだ。今大会には32の国と地域から選手やスタッフが約2000人、メディア関係者が1000人訪れた。大会組織委員会のスタッフではとても手が回らないが、日本全国19の都道府県から4600人のボランティアの応募があったという。

このほか、記事は「細やかな気配り」にも言及している。「コンパクトに配置された会場とホテル、絶え間のない交通、利用者のためにプリントアウトされた時刻表や路線図など、どれをとってもホストの細やかで心のこもったもてなしが体現されていた」と絶賛。12の大きな会場と開幕式が行われた札幌ドームは車で40分以内で、代表団や記者が宿泊するホテルは駅から歩いて5〜10分程度だったそうだ。そして、「コンパクトな大会」が東京五輪で掲げられた理念の一つでもあると指摘。また、日本の「一期一会」という言葉を紹介し、「『あなたと私が出会うのは一度きりの縁かもしれないので大事にしましょう』という意味があり、これは正に日本式のおもてなしなのだ」としている。

記事は続いて、メディア関係者の管理の部分に言及する。開幕式の当日、札幌ドームに詰めかけた数百人の記者に対して、組織委は整理番号を配布。日本の五輪委の報道官であっても特別扱いはなかったそうだ。また、試合後の取材エリアでも、係員が厳格にその場を仕切っていたという。さらに、日本の記者には公共交通機関を利用し、メディア用の大型バスはなるべく外国人記者を優先するよう呼びかけられたほか、日本の記者によく見られるという「場所取り」も貼り紙で禁止されていたという。

札幌アジア大会の細やかな大会運営は、アジアオリンピック評議会(OCA)から高く評価され、シェイク・アハマド会長は「2026年の冬季五輪の招致を検討している都市として、札幌は豊かな経験がある」と太鼓判を押している。記事ではこのほか、今大会が円安や会場の改装などから予算オーバーの危機を迎えながらも、OCAの協力でスポンサーを集めたり、経費節約に努めたりしたことでなんとか開催にこぎつけたことも紹介。「日本では、合理性や経費削減が重んじられる。そうした中で柔軟に対処し、大会を成功させる力が試されたが、札幌はそれをやり遂げた」と評価している。

記事によると、会場施設を「遺産」として残していく方法について、各国の大会組織委員会が今大会に注目していた。しかし、何が「遺産」かという問題について、OCAの魏紀中(ウェイ・ジージョン)終身名誉副会長は「スポーツ大会を通じて人材を育てることが最大の遺産だ」と語っている。魏氏はこの3年間、札幌冬季アジア大会組織委員会がゼロから一つひとつ積み上げて行くのを見てきたという。1972年の札幌五輪の経験を持つ人たちは徐々に退いていき、今大会の組織委はほとんどが新しく、現地で育った人だった。彼らがOCAや日本オリンピック委員会に謙虚に教えを請う姿勢に、魏氏は感慨を覚えたそうだ。魏氏は「検討会はいつも満室状態。直接関係する人もそうでない人もみんな参加していた」と振り返る。魏氏は2020年の東京五輪では、そうした人材によって新しい科学技術や経済的な合理性が融合した異次元の世界が現れると期待を寄せているという。(翻訳・編集/北田)