例年以上の大雪の中、長野県斑尾高原で開催されたジャガー・ランドローバー・ジャパンの雪上試乗会。以前ご紹介したレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルからジャガーF-PACEに乗り替えると、ドライ路面で感じる以上に同じ4WDでもFFベースとFRベースの差が伝わってきます。

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エンジン横置きのFFベースであるレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルは、一般道の雪上試乗ではウインタータイヤでもほぼ万全といえる安定感で後輪が滑り出す気配はほとんどありませんでした。なお、イヴォークの4WDは電子制御の「ハルデックスカップリング」を介して最適なグリップを与えるもの。

一方のジャガーF-PACE(エフ・ペイス)は、ドライのオンロードでもFRのような旋回が容易に伝わってきて、鼻先の軽さを堪能できます。

それが雪上になると圧雪された一般道でもお尻が左右に少し触れますから、先述したようにイヴォークとの差は明らか。なお、こちらもタイヤはピレリの「スコーピオン・ウインター(255/50R20)」が装着されていました。

今回の雪上試乗では、特設コースも用意されていて、こちらでは少し飛ばしながらF-PACEの走りを確認できました。走行モードを「レイン・アイス・スノー」モードに合わせると、強めにアクセルを踏んでスタートしても若干ホイールスピンをしながらスムーズに発進。「ダイナミック」モードにしても後輪がスピンしますが、スタートを決めることができます。

F-PACEのデフォルトのトルク配分は「前10:後90」で、路面状況に応じて「IDD(インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス)」と呼ぶAWDシステムがトラクションロスを予測すると、即グリップのある車輪に駆動力を配分するもので(最大で前50:後50)、100回/1秒というドライバーには察知不能なきめ細かい制御がされているそう。

こうした制御に加えて、「50:50」に近い前後重量バランスもあってコントロールのしやすさも印象的。

雪上の外周路コースでお尻が左右に振られるシーンがあっても破綻することはなく、「壁ドン」することもありませんでしたが、過信は禁物。レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルと同じ4WDであっても、公道では万一に備えてより「取扱注意」なのが伝わってきました。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

FRベースらしさを感じさせるジャガーF-PACEの雪上の走り(http://clicccar.com/2017/02/28/449593/)