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●消費拡大を見越した制度は定着するか!?
2017年2月24日、初の「プレミアムフライデー」が実施された。プレミアムフライデーとは、その月の最後の金曜日、午後3時に退社して消費を促そうというもの。

「金・土・日曜日での旅行がしやすくなる」といった評価の声がある一方、「月末の金曜日に休めるわけがない」「そもそも使えるお金がない」といった意見もある。始まったばかりの制度なので、どのくらい浸透するのかは、今後を見通したい。

とはいえ、当日は各地でイベントが行われた。東京でもさまざまなイベントが開催され、プレミアムフライデーの周知に多くの企業・団体が動いた。なかでも東京駅周辺で行われたイベントは盛大だったのではないか。

○東京駅周辺のデベロッパーが盛り上げ役

東京駅周辺は、さまざまなデベロッパーなどが開発を行い、街の賑わいを促進しているが、巨頭といえば以下の3社ではないだろうか。まず、東京駅を擁するJR東日本、日本橋を発祥の地にする三井不動産、そして丸の内・大手町に根を張る三菱地所だ。もちろん、このほかにもあまたの企業が東京駅周辺の賑わいを支えている。

さて、前述のとおり初のプレミアムフライデーが実施されたが、これを周知するイベントで以下の3社が手を組んだ。JR東日本、三井不動産、三菱地所だ。つまり、丸の内・大手町に基盤を持つ三菱地所、古くから商人の街として栄え、東海道の起点ともなっている日本橋を地盤にする三井不動産、そしてその両地区のあいだにある東京駅を擁するJR東日本だ。東京駅を中心に、東西を代表するデベロッパーがプレミアムフライデーを盛り上げたことになる。

まず午前中には、東京駅行幸地下通路で「プレミアムマルシェ」という市場が立った。市場自体は毎週金曜日に開かれるが、この日はプレミアムフライデーとのコラボというイメージで開催された。行幸地下通路は、丸の内ビル、新丸の内ビル、東京駅をつなぐ歩行者用の大動脈。プレミアムフライデーの周知に有用だったにちがいない。

●定着に否定的な意見も!?
午後には、日本橋エリアのランドマーク「マンダリン オリエンタル 東京」最上階の「マンダリンバー」で、「オリジナルチーズバーガーと常陸野クラフトビールセット」(6,224円)の披露が行われた。高価だが期間限定なので、試したい人はチャレンジしてみるべきだろう。

○東京駅周辺をリムジンが走る

続いて「大丸有地区」(大手町・丸の内・有楽町)を巡回するリムジンの公開も行われた。こちらは日本橋の象徴的場所「福徳神社」や、丸の内仲通りといった場所で披露された。このほかにもイベントは各所であり、多くの方がプレミアムフライデーの名を耳にしたのではないか。

実はこのJR東日本・三井不動産・三菱地所の3社にはプレミアムフライデーが定着することでのメリットが考えられる。まずは、それぞれが管理するビル棟などに入居する、ショップや飲食店への経済効果だ。仮に、夜20〜22時まで働いたとして、その後、勤めている企業の側での飲食は時間的に制限される。だが、午後3時に終業するとなれば、ショッピングや飲食に時間を充てられる。

と、経済効果に何かしら期待が持てそうな感じがする。だが、実際に「定着しないのではないか」とみる意見もチラホラと聞こえる。

これは、東京駅周辺に勤める、あるビジネスパーソンの話だが「業務量を考えれば、そもそも午後3時に帰宅できるとは、到底考えられない」ということだった。これは、多くのビジネスパーソンが共感する意見ではないだろうか。

●働き方の意識改革を促す
そして、これはある飲食店のオーナーの話。「仮に午後3時にみなさんのお仕事が終わっても、弊店ではその時間から営業するリソースがありません」とのことだ。たとえば“仕込み”。ここはランチタイムが終わったあと、夕方からの営業のため仕込みを開始する。とてもではないが、午後3時に店を開ける余裕がないそうだ。その時間から働けるホールスタッフを確保することもほぼ不可能だという。

さらに、午後3時で終業したビジネスパーソンが、すぐに帰宅してしまうのではないかという声もある。経済にどれほどの効果があるのか……、このように疑う声は各所から聞こえてくる。

とはいえ、まったく効果がないわけではないだろう。事実、プレミアムフライデーに関連したイベントに参加した小池百合子都知事は、「働くことの意識改革のきっかけになれば」と語った。プレミアムフライデーをすぐさま実践できるビジネスパーソンは少ないかもしれない。だが、これをきっかけに徐々に意識改革につながっていけば、それはそれでよいかもしれない。

さて、東京駅周辺で行われたプレミアムフライデーのイベントだが、強力なものだったといえよう。それは、前述したとおりJR東日本、三井不動産、三菱地所の3社が旗振り役になったからだ。どの企業も存在感の強いデベロッパーだ。これらの企業が管理するビル棟には、数多くの有名企業が入居する。これら3社が入居企業に対し、プレミアムフライデーの有り様を示せれば、ひょっとしたら意外と早く定着するかもしれない。

(並木秀一)