Blackmagic Designの発表によると、レスパスビジョン株式会社が同社で展開しているHyperDeck Studio Proを使ったライブ収録サービスのために、20台のBlackmagic Design MultiDockを組み合わせた「Mega MultiDock」システムを活用しているという。同システムは最大80枚のSSDを同時にインジェスト可能。

レスパスビジョンは、映画、TVコマーシャルやミュージックビデオを手掛けるポストプロダクション。近年ではポストプロダクション業務以外にも、映画製作やライブ収録事業などのサービスを提供している。早くからファイルベースワークフローに注目し、効率的なワークフローを顧客に提案しており、同社オリジナルのコピー作成用アプリ「RapidCopy Pro」の開発、販売も行っている。

同社のライブ収録事業でのチャレンジのひとつは、膨大な収録素材をいかに効率的にインジェストするかだった。ライブ収録時では毎回、数多くのintel社製の480GB SSDおよび東芝社製の512GB SSDが使われており、収録後にそれらが同社のもとへ届く。プロダクションの規模にもよるが、最大80枚ほどのSSDが収録素材として届くこともあるという。同社のMega MultiDockは、それらを全てRaidを組んだ45台のHDDにベリファイコピーしていく。そのMega MultiDockを構成するのが、マウント用の20台のMultiDockとそれらを制御するRapidCopy Pro、3台のMacProだ。

同社Editorial I/O部門の三宅邦明氏は、Mega MultiDockを構築した経緯を次のようにコメントしている。

三宅氏:弊社では60台以上のHyperDeck Studio Proを使用してライブ収録業務を行っています。SSDに収録されたライブ映像を効率的にインジェストしたいということからMultiDockを使い始めました。

ライブ収録後、早く編集をスタートしないと、編集期間がどんどん短くなってしまいます。クライアントの求めるスピードに応えるためには、効率を上げる必要がありました。ライブの仕事が続くと、収録用のSSDを早くフォーマットして次の仕事に回さないといけないので、そこでもスピードが求められていました。

ライブ収録はQuickTime(以下:QT)ファイルになるため、ファイルナンバーやリールナンバーなど、QTファイルのメタデータを編集するにあたり、Macで制御したかったんです。Macに対応していて、複数台をデイジーチェーンができる、そして省スペースに収まるようにラックマウントができるもの、ということで、MultiDockを使ったシステムを作ったんです。

また、数多くのMultiDockをより効率的に制御するために同社のRapidCopy Proが使われている。RapidCopy Proの開発に関わった同社システムエンジニア/ITマネージャーの澤津健吾氏は次のようにコメントしている。

澤津氏:複数のMultiDockに刺さっているSSDを順番制御しながらコピーする必要があるため、RapidCopy Proにバッチコピー(ジョブリスト)機能を追加しました。こうすることで、例えば40枚のSSDがある場合に、ボタンを一度押せば1枚目から40枚目のSSDを順番にコピーすることが可能になります。これによって、SSDのかけかえの手間が大幅に減りました。

同社Editorial I/O部門の内海航氏は次のようにコメントしている。

内海氏:MultiDockがいい点は、デイジーチェーンができるところです。そのため、複数のMultiDockを繋げることができ、すべてのMultiDockで同時にインジェストが可能になります。結果的にスタッフが手動で作業する手数が減ったので、ヒューマンエラーが減りました。Mega MultiDockシステムによって今までより3〜4倍くらいインジェスト作業の時間が速くなったと感じます。

三宅氏:Mega MultiDock は、HyperDeck Studio Proを使ったライブ収録のインジェスト業務以外でも、弊社で映画撮影の仕事でSSD収録した場合などにも利用しています。すでにラックマウントされたシステムがあり、他の仕事でも手軽に使えるので、いろいろな仕事で使っています。